かんとこうブログ
2022.03.13
国営ロシア放送の国内向けニュースの内容
以下に紹介するのは、NHKのBS放送3月11日の「World News」の中で、イギリス、ドイツの放送局のニュースと並んで紹介された国営ロシア放送のニュース(現地時間3月10日午後8時放送)の一部を書きとったものです。私はロシア語がわかりませんのでBS放送の日本語訳をそのまま書き取りました。ロシア国内における報道の一例として紹介したいと思います。
1. プーチン大統領が国民に語り掛けたメッセージの放送分全文
「最初に避難してきている人々に手を差し伸べている国民の皆さんに感謝申し上げます。今私たちの助けを必要としている人たちがいます。8年間という長い間、地下室での生活を余儀なくされてきた人々です。8年間と言えば、生まれた子供が学校に通うようになる年月です。8年間もの間、ネズミがいるようなところで暮らしてきたのです。こうした人々を助けることはまさに私たちの責務であります。そして問題の解決にはこうするしかなかったのです。
ロシアに対して制裁を実施した欧米諸国では、今ヨーロッパではガスの価格が高騰するなどエネルギー危機に直面しています。市民に省エネを呼びかけながら、ロシアに対して実施した制裁がガスの価格高騰の原因だと説明していますが、これはおかしな話です。ロシアはすべての義務を果たしています。ロシアが供給の義務を負っているヨーロッパなど主要消費国にはすべて供給の義務を果たしています。ウクライナのガスパイプラインにも契約の100%を供給しています。それが事実であります。価格高騰はロシアのせいではありません。自分たちの間違いの結果なのです。
アメリカでもガソリンの値上がりが続いています。政府は例によってロシアに責任があると言っています。アメリカ市場でのロシア産原油のシェアは3%にも及びません。ほんのわずかな量に過ぎません。値上がりはロシアとは全く無関係です。ロシア産原油の輸入を禁止したことも全く関係ありません。自分たちの国民を例によってだまそうとしているだけなのです。
制裁の圧力は、確かに今回は複雑で困難を引き起こしています。しかし、これまでに困難を乗り越えてきたのと同じように、今回も困難を乗り越えます。新たな状況に適応していきます。輸入品の国産への置き換えを進めていきます。最終的には我が国の、独立、自主、主権が強まっていくのです。
多くの国は他の国が決めたことに従うだけになっています。そんな屈辱的な状態で存在することはできないのです。今回の事は遅かれ早かれ起きることでした。政府の諸君、そして主要企業の努力で困難を乗り越えていきます。」
2. マリオポリの病院攻撃についてのアナウンサーの説明
「ウクライナのドンバス地域で、ウクライナの過激民族主義者は戦闘での敗退を情報戦でカバーしようとしています。こうした戦術は2014年から使用されているもので、フェイクニュースや演出された写真やビデオなどが使われています。 マリオポリからのフェイクビデオがここ数日西側のメディアにより広く流されました。この問題はこの日のラブロフ外相の記者会見でも提起されました。具体的には、ロシアの軍人がマリオポリの産科の入る病院を攻撃したというものです。この病院には医師や妊産婦ではなく、武装部隊、その亜族がずっと前から駐留していました。写真の女性はキエフの有名な美容ブロガーであることが判明しました。映像にはマリオポリの病院が映っていて、撮影者は『ロシア軍が妊産婦のいる病院を攻撃した』と話していました。しかし、この映像には、新生児も犠牲者も負傷者も映っていません。(ロシア側の)ジャーナリストのゴルバノフさんです。『病院からは医療スタッフも新生児も追い出され、中に人はいませんでした。この映像はCNNの番組のために作成され、CNNによって流されました。』ロシア国防省は『これは演出された挑発だ』としています。」
NHKはロシア国営放送のニュースの放映に際し、あえて「これはロシアで放送されたものをそのまま放送しています」と字幕をつけています。