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かんとこうブログ

2022.07.20

経産省5月度確報についての補足

 

先週、日塗工から経産省5月度確報を受け取りました。(下記URL)すでに組合員の皆様には、いつものように表紙をつけて送付をしありますが、若干それに補足したいところがありましたので本ブログでご紹介したいと思います。

https://toryo.or.jp/jp/data/files/2022_05.pdf

まとめとして次の表に確報よりも以前に入手した速報と業況観測アンケートの結果と併記してお知らせしています。

これを単純にみると、確報の結果によれば、前年同期比が出荷数量で100.5,出荷金額が108.7ですので、まずまずであったということになります。この表は注意書きにもあるように、塗料全体ではなく、溶剤型塗料と水系塗料の合計を比較したもので、速報と比較するためにこのような形にしています。

その他の塗料やシンナーを含めた時の前年同期比は出荷数量で98.5、出荷金額で108.8となっています。この数字を見ても上と同様まずまずという感じを受けると思いますが、前年は言うまでもなく2021年であり、コロナ禍の影響をうけていないとは言えない年でした。実際のところ、平年比と比べてどうかということが気になるわけですが、その平年比がわかるよいグラフが日塗工が編集している経産省確報には含まれているのです。それをご紹介しましょう。

左図が生産数量、右図が出荷数量ですが、今年を含め6年分のデータがプロットされています。2022年は赤い太線で書かれていますので、4月5月の2か月分しかありませんが、この6年のうちの位置付けがはっきりとわかります。つまり、2022年度の滑り出しは、コロナ禍の最初の年であった2020年よりは多少よいものの、コロナ禍2年目の2021年よりはわずかに減少しており、ましてやコロナ禍前に比べれば明確に落ち込んでいることがわかります。

今度は左図が出荷金額、右図が在庫数量です。先ほどの生産数量、出荷数量と比べると少し様相が違います。出荷金額については、2022年のポジションは2021年よりも上です。もちろん2020年よりはかなり上です。数量とは位置取りが異なっていることには理由があります。

5月度の出荷金額の前年同期比は108.8%でした。そして2021年同月からの変動分の内訳がつけられており、それによると数量の増減が-1.5ポイント、製品構成が+0.4ポイント、単価変動が+10.0ポイントでした。つまり単価が10%上がったのでこのような数値になったということです。

こうして見ると、5月の出荷金額の前年同期比が比較的高い数値であったことも素直には喜べません。プラスに触れた要因は、原料高騰により苦肉の単価アップをお願いした結果であり、生産数量、出荷数量いずれもコロナ禍最初の年である2年前よりは若干回復していますがほぼ昨年なみであり、コロナ禍前には全然戻っていないからです。

明日は、経産省確報の品目別統計から計算した品目別の単価についてご紹介します。

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