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かんとこうブログ

2022.10.18

OECD COVID-19 復興ダッシュボード その1

今日と明日は、OECDの統計をご紹介したいと思います。OECDのホームページには非常に多くの統計資料が提供されていますが、今回ご紹介するのはその名も「OECD COVID-19 復旧ダッシュボード」というもので、COVID-19からいかにOECD加盟各国が復興してきているかを示す多様なデータが提供されています。

このサイトのサブタイトルは「あなたの国は、より強く、より包括的で、グリーンで強靭な経済と社会を取り戻すためにどのように努力していますか?」となっており、単に復興させるだけでなく、より強靭かつ環境配慮型社会に復興させているかを問うているようです。

それではまず四半期GDP成長率の推移からご紹介します。OECDの中における日本の位置位置を明確にするための比較対象国家として、OECD平均とアメリカ、ドイツを選択しました。2019年から2022年までの四半期GDP成長率の推移で、赤い部分は予測値になっています。

日本以外は3本の線が示されていますが、上の線が成長の上位20%に相当する分野、真ん中の太線が平均値、下の線が下位20%に相当する分野の成長率です。日本は平均値しかありませんので、比較は真ん中の線で見るしかありません。

各国ともグラフの形は相似形ですが、日本の推移は他に比べて上下の振れ幅が少なく感じます。つまり成長率の増減のタイミングは同じでも増減率が小さいということです。このことは以下に2022年のGDP成長率のグラフで見ると」より明らかです。

残念ながら、2022年の成長率でみるとデータが提示されている国の中で日本は最低の成長率となっています。

次は世帯収入の推移で2019年第4四半期から2021年の第4四半期までの各国の2019年の世帯収入を100とした時の指数値で示されています。この図だけ横並びにできなかったので、グラフを書きなおしてあります。

世帯収入について、日本はOECD平均やドイツと同じような推移となっています。日本のデータは2021年の第四半期までしかありませんが、この中では2020年の第2四半期の増加が特徴的です。この急増は国民全員に対する給付金のためと思われます。それにしてもアメリカの世帯収入の増加は突出しています。よほど手厚い支援がなされたのでしょうか?

次は、新規設立企業の推移です。

これは最初見たときに大変驚きましたが、よく読むとその国における2019年の新規設立企業数に比べて2020年以降がどうなったかという指数なので、一見すると日本では欧米よりも新規設立企業が多いように思われますが、絶対数での比較ではありませんので、日本が欧米よりも新規設立企業が多いという訳ではありませんでした。

続いて企業倒産件数です。コロナ禍で政府の支援制度により倒産件数が減っていると報道されていましたが、この傾向は各国とも同じようです。

この企業倒産についても新規設立企業と同様にその国での2019年の倒産件数を100とした時の指数ですので、横並びに比較するのはどれほど意味があるかということになりますが、少なくとも各国とも企業に対しての経済的な支援策を行った結果、倒産件数はコロナ禍以前よりも少なくなっていることがわかります。

今日ご紹介する最後のデータは、世帯の収入を得ることが難しいと感じている人の割を男女別に集計したものです。

この点については日本はOECDの中ではもっとも不安を感じている人が少なく、雇用に関する不安を抱く人が少ない国であると言って良いと思います。

明日は、「政府への信頼」「人生の満足度」「一人あたり二酸化炭素排出量」「再生可能エネルギー利用率」についてご紹介します。

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