かんとこうブログ
2023.02.02
2022年1月~12月の累積自動車生産台数
昨日に引き続き国内自動車メーカーの2022年1月~12月の累積自動車生産台数についてご紹介したいと思います。まずは、2022年累積生産台数の前年比のグラフをご覧ください。
前年比が100%を超えたのは、国内生産では日産、ホンダ、スバル、スズキの4社、マツダと三菱は100%、トヨタとダイハツは100%を下回りました。一方世界生産では、前年比100%超えがトヨタ、スバル、マツダ、ダイハツ、スズキの5社で、日産、ホンダ、三菱の3社は100%を下回りました。
これらを整理すると、国内、海外とも好調だったのはスバルとスズキ、トヨタとダイハツは海外はよいが国内で苦戦、日産とホンダは国内は良いが海外で苦戦、マツダと三菱はほぼ前年なみで海外でマツダは微増、三菱は微減というところになります。
これはあくまで前年である2021年との比較ですので、果たしてコロナ前と比べてどうかと言う疑問には何ら回答を示してくれていません。そこで、2019年からの各年の月平均生産台数の推移を見てみたいと思います。
この8枚のグラフの縦軸はすべて同じにしてありますので、線の高さが生産台数そのものになります。2019年の水準を赤線で示してあります。驚きはトヨタ生産台数の減少が続いていることです。他社はなんとか減少に歯止めをかけて回復を目指そうという状況が見えますがトヨタにはまだ底が見えません。スズキはほぼ2019年レベルに回復しています。ダイハツも台数の減少は非常に軽微ではありますがまだ線が下向きのままです。スバルもスズキ同様に2019年の水準に近づきつつあります。
続いて世界生産(国内生産+海外生産)です。ここでは上段の4社の縦軸は揃えてあります。下段の4社の縦軸もそろえてありますが、上段と下段では縦軸の数値が違いますので注意してください。
ここでも驚きはトヨタです。すでにV字回復を成し遂げています。先ほどの国内の推移と併せて考えれば、国内生産については単なるコロナによる生産減少というよりも海外への生産シフトとも見ることができるかもしれません。またスズキもコロナ以前を上回る回復ぶりを見せています。スバルが比較的良い回復状況に見えますが、これは同社の世界生産における国内比率が高いため国内状況がそのまま反映された結果と解釈すべきでしょう。心配なのはホンダと日産で世界生産でみるとまだ線は下向きです。
最後に各社の月平均生産台数合計の推移をお見せします。これは各社発表の数字を手元集計したものを合算していますので、自動車工業会の数値とは合わないかもしれませんが、こんな具合になっています。
8社の数字を合計すると国内はまだ減少傾向が継続ということになります。トヨタの動向が影響しているようです。