かんとこうブログ
2023.08.02
前年同月比マイナスが散見・・6月の自動車生産
7月29日に日系自動車メーカーから一斉に6月の自動車生産台数と7月の販売台数が発表されました。暦年での上半期が終わりましたので、マスコミ各社の見出しは暦年上半期の数字に関するものが多く見られました。(下記)
総じて言えば、上半期全体では各社とも前年比がプラスであり、コロナ禍とそれにつづく半導体をはじめとする部品不足から脱してきたことを示しています。
一方で6月の生産台数ですが、前年同期比がすべてプラスとなった5月の生産とは異なり、前年同月比マイナスが散見される結果となりました。とは言え生産台数そのものでみれば、5月から増加しているケースが多く、5月から一転して減産モードになったというわけではありません。各社生産台数の前年同月比、前々年同月比を下図に示します。
ここへきて前年同月比、前々年同月比がほぼ同じような数値になっています。ホンダ、マツダ、ダイハツの国内生産、ダイハツ、スズキの世界生産が前年比、前々年比ともマイナスになっています。前年比と前々年比がほぼ同じと言うことは、総じて前年の前年同期比が100近辺で会ったことを示しています。
一方、6月の生産台数を過去4年間の月平均台数と比較したものを下図に示します。
6月の生産台数がコロナ禍の2020年~2022年の月平均を上回り、2019年のレベルに戻ってきていると判断される会社は、国内生産では、トヨタ、日産、スバル、スズキ、世界生産ではトヨタ、スバル、スズキと言ったところです。最も気になったのはダイハツの生産台数で、これまでコロナ禍でも比較的安定した生産台数をキープしてきたのに、5月6月とかなり低いレベルに低迷しています。
最後に各社のここまでの2年半の生産台数の推移をご覧ください。前年同月比がマイナスとなったメーカーがある割には、先月から見ると増加しているケースが多いことがわかると思います。
それぞれのグラフに過去4年間の月平均を点線で入れています。トヨタの国内、世界は2019年の月平均レベルを超えており、日産の国内も2019年のレベルにほぼ達しています。ホンダは国内、世界ともコロナ禍中のレベルに留まっています。
スバルの国内は2019年の月平均を超え、スバルの世界、三菱の国内も2019年レベルに達しています。
スズキは国内、世界とも2019年レベルに回復している一方で、ダイハツはこの2-3か月コロナ禍の月平均をも下回る状況となっており心配されます。6月の前年同月比を一覧表にしてみると、マイナスがかなりありますが、上述してきたように、ダイハツ以外は心配する必要はないと思われます。