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かんとこうブログ

2023.10.31

本当に完全回復したのか?・・自動車生産9月

昨日、日本の自動車メーカーから一斉に(トヨタが午後すぐに、ホンダを除く各社は午後3時以降で、ホンダはいつものように一社だけ遅れて)10月の販売台数と9月の生産台数が発表されました。これに関するメディアの見出しを集めてみました。

ぱっと見たところ、景気のよい見出しが並んでおり、日本以外でも半導体をはじめとする部品供給問題が解決し、コロナ禍前以上に完全回復したような印象を受けますが、個々のメーカーを見ると必ずしもそうではないように思います。

まずは、各社の9月生産台数の前年比と4-9月の前年比のグラフから見ていただきましょう。

9月および4-9月の累積のいずれにおいても、全8社がすべて前年越えではありませんでした。特に9月単月は三菱が国内、世界とも前年割れ、日産とダイハツの世界も前年割れでした。4-9月(上半期)については、ダイハツだけが国内、世界とも前年割れとなりました。ダイハツの場合には、部品メーカーの事故によって生産が長期的に落ち込んだという事情がありますので、4-9月については、実質全社前年越えと判断してもよいのかもしれません。

9月の生産台数について、過去4年間の月平均台数と比較してみました。

過去4年間のうち2019年はコロナ禍前ですので、これを上回っているかどうかというのが完全回復のひとつの目安になろうかと思います。そういう観点で見た場合、国内生産台数で9月の台数が2019年の月平均を上回ったのはトヨタ、スバル、ダイハツ、スズキの4社、世界生産台数では、トヨタ、スバル、スズキの3社でした。国内世界いずれも約半数が2019年の月平均を超えているという状況です。トヨタは4-9月でも505万台と過去最高を記録しており、メディアの見出しを独占の恰好でした。

先月から始めた星取表を下に示します。着色月が前年割れです。

国内生産で1月~9月まで連続して前年超えはトヨタと日産の2社で、世界生産ではトヨタのみでした。また全社が前年超えだったのは5月だけでした。前年超えの割合は国内が78%、世界が63%で過半数は優に超えています。総じてコロナ禍以降では今年が最も順調に生産されている年であることは間違いありませんが、まだ多少山谷があって全体としては前年超えに至っているという状況ではないかと思います。

参考までに各社の生産台数の推移を示します。

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