お電話でのお問合せはこちら
TEL:03-3443-4011

かんとこうブログ

2023.11.10

10月も暑かった!を検証する

11月に入っても最高気温が25℃を超える夏日が各地で観測され、いつまでも暑い秋となっています。この夏はことしを含む過去4年間の気温を比較して、電力使用量との関係を見てきました。10月は一年のうちで空調に費やすエネルギーが最も少ない月のひとつであると思われますが、実際には随分と暑かった印象があります。

実際にことしの10月の気温がどうだったのか、札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、福岡、鹿児島、那覇の10都市について、2020年から2022年までの気温とことしの気温を比較してみました。ちょっと予想外の結果となりましたが、同時に今年の10月が例年以上に暑いと感じられた要因もなんとなく想像できました。

気温のデータは気象庁の過去の気象データ検索サイトで調べました。

気象庁|過去の気象データ検索 (jma.go.jp)

上記10都市の月平均気温、月平均最高気温、月平均最低気温のデータを今年も含め4年分グラフにしてみましたのでご覧ください。赤い線が2023年、つまりことしです。ことしが特に暑かったのであれば、平均、最高、最低それぞれの月平均気温が最も高い位置にあるはずですが、そうしたケースは札幌、仙台、東京、那覇の4都市に過ぎませんでした。さらにその4都市の中でも特に今年が高いと明らかなのは仙台と東京のみで、札幌と那覇は突出感はありません。

東日本の中では、新潟、名古屋の場合、この4年間で最も気温が高かったのは2021年でした。

西日本では、さらに那覇以外の4都市ではすべて2021年の10月が最も気温が高かったことがわかります。しかしながら、ニュース等では、こうした暑い10月は決して東日本の一部に限って報道されたわけではないようです。一体どうして全国的に10月が暑いと感じられたのでしょうか?

気温について日毎の推移がそのヒントを提供してくれました。下図は東日本の各都市の日毎の最高気温の推移です。日毎の平均気温も最低気温も最高気温と概ね傾向は同じなので日毎の最高気温で、今年が特に暑く感じられた理由を説明してみたいと思います。

10月は4月と並んで一年のうちで最も気温の変化が大きい月であると言われています。今年の場合(赤線)、月の中頃から月末にかけては、各地の気温が4年間の上位にきている(青い楕円で囲んだ部分)ケースが多く見受けられます。つまり10月の中~後半にかけてはまちがいなく例年よりも暑かったのです。

一方で月の前半はというと新潟と名古屋のグラフで赤い楕円で示したところを見ると、明らかに2021年は今年よりも気温が高かったことがわかります。つまり、今年は月の中頃以降は確かに気温が高かったのですが、前半は必ずしもそうでなかったため、月平均気温としてはこの4年間で最も高くはならなかったと判明しました。

月の前半と後半の関係は、西日本ではもっと顕著です。那覇を除き、月の前半は2021年が最も高く、後半ば2023年が最も高いという状況が明らかです。さらに重要なことは、前半はそれほど気温が高いわけでもなく、後半が高いということは、本来月初と月末で大きく異なるはずの気温が、さほど変化しなかったことを意味します。事実どの都市をみても月初と月末の気温差は2023年が最も小さいように見えます。

以上から、いつまでも気温が変わらず、季節がうつりゆくという実感がないままずるずると時が進んでいったことこそが、いつまでも暑いと感じた原因なのではないかと想像しています。この週末はようやく気温が平年並みを下回るようです。長く続いた夏日も本格的に終わりを迎えそうです。

コメント

コメントフォーム

To top