かんとこうブログ
2023.11.13
大阪で木枯らし1号を記録、東京はまだ!
この記事を掲載した11月13日に東京で「木枯らし1号」が記録されました。3年連続記録なしとはなりませんでした。ことしは大阪が11日。東京が13日と近い日にちで記録されました。1991年以降では同日記録が8回あり、こうした短期間で両者記録というのもそう珍しいことでもないようです。以下、13日掲載のブログです。(11月14日記載)
急激に気温が低下した11日の土曜日、大阪で「木枯らし1号」が観測されたと報じられました。当ブログで昨年の11月30日にこの「木枯らし1号」についてご紹介していますが、その11月30日というのは「木枯らし1号」の観測期限であり、11月30日までに観測されなければその年の「木枯らし1号」は記録なしになるとご紹介しました。今年もまだ東京で「木枯らし1号」が観測されておらず、今年観測されなければ、3年連続記録なしとなります。今日は「木枯らし1号」について、ほとんど昨年を同じ内容になりますが、ご紹介します。
木枯らしとは、秋から冬にかけて吹く冬の到来を告げる北よりの風を意味します。一方「木枯らし1」号は、正式に記録されているのは関東(東京)地方と関西(近畿)地方だけであり、それ以外の地域では記録もしたがって報道もされていないということです。さらに面白いのは東西で認定基準が異なっていることです。以下の「木枯らし1号」の判定基準を示します。気象協会のサイト(下記URL)から引用しました。
https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2022/11/14/20491.html#sub-title-a
一番の違いは認定の時期で、東京の方が早めの観測次期となっており、12月以降はいくら吹いても「木枯らし1号」とは認定されません。一方近畿では12月の冬至まで期間が延長されています。これは冬の到来が、東京の方が早いことに由来すると思われます。もうひとつ重要な点は、東京の場合には東京の風速が規定以上という条件であることです。東京地方のどこかで風速が上回っても認定の対象にはならず、東京大手町の東京観測地点で最大風速が8M/sを超えていなければ認定されないということです。(最大瞬間風速ではなく最大風速です)
一方、近畿の場合には近畿のどこかで基準を超えていればよいようです。11日の近畿地方の最大風速は大阪6.0M/s、神戸9.4M/s、和歌山6.4M/s、京都5.5M/s、彦根11.1M/sでした。東京の基準であれば認定されないことになります。
現在の基準に変更されたのが1991年ですが、「木枯らし1号」が記録されなかった年が何年かあります。東京地方で言えば、2018年、2019年、2021年、2022年です。もし今年記録されなければ3年連続となりますが、「記録なし」がここ最近に集中していることを見るとやはり温暖化の影響があるのかと思われます。そこで1991年以降の「木枯らし1号」が記録された日をグラフ化してみました。データはウイキペディアから引用しました。因みに、近畿地方では、「記録なし」が1992年のみ、また木枯らし1号が12月に記録されているのが2000年、2003年、2005年と3回あります。
この図を見る限り、特に木枯らし1号の記録される日が年々遅くなっているという傾向は認められません。しかし、もし今年も東京地方の木枯らし1号が「記録なし」で終わるのであれば、判定基準を改定し認定期間を延長することを考えた方が良いのではないかと思います。今年も「記録なし」だとすれば、このところ6年間に5回「記録なし」ということになり、季節の指標としての意味合いをなさなくなるのではないかと思うからです。