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かんとこうブログ

2024.02.21

ようやくワニの口が閉じた?・・1月の業況観測アンケート

月曜日に日塗工から2024年1月度の業況観測アンケートを受領しました。組合員の皆様にはすでにFAXで送付しておりますが、その内容について若干の解析を加えてご紹介したいと思います。

まず最近1年間の需要分野別出荷金額前年同月比の推移を一覧表で示します。2023年はコロナ禍明けということもあり、木工を除く全分野が年間を通じて前年同月比100超えを記録しました。

ただし、全体の出荷数量が前年を超えたのはわずかに3回のみということで、出荷数量と出荷金額のバランスが崩れていました。この理由は言うまでもなく、原材料高騰による塗料製品の値上によるものですが、2024年に入りこれまでの出荷数量と金額の乖離が解消されそうな様相を呈してきました。業況観測アンケートと経産省確報における出荷数量と出荷金額の前年同月比の推移を下図に示します。

上の業況観測アンケートでは、この1月の金額の前年同月比が21カ月ぶりに100を下まわり、数量の前年同月比との差が一挙に小さくなりました。ようやく原材料高騰~製品値上げの動きが沈静化してきたことを示す指標ではないかと考えています。

この1年ずっと示してきた2018年各月を100とした場合の前年同月比の累積値(これは2018年各月と100とした時の現在の指数を意味します)が、2023年には全部の月で100を超えて金額では2018年の水準に戻りさらに上回るようになりました。この1月も勢いが衰えたとは言えまだ2018年のレベルは上回っています。(下図)

ただし再三再四申し上げているように問題は数量の減少が回復していないということです。例月のようにグラフで説明します。下図の左は経産省確報から日塗工が産出した月別純出荷数量(同業者向けを除く出荷)です。2023年の純出荷数量はコロナの第1波の時の大きな落ち込み(2020年)こそは上回っていますが、2021年・2022年と同レベルに留まっています。

一方右図は2018年を100とした時の各年の純出荷数両の推移です。コロナ禍前の2019年はほぼ横ばいですが、そこからの数量減少は一向に回復の兆しが見えない状況です。2023年の年平均としては86.1であり、2022年より若干低くなってしまいました。純出荷数量が一向に回復の兆しのないことは各月ごとの推移を見ても明らかです。(下図)

これを単なる景気循環説の中で考えてよいのかどうかは大いに疑問であると思っています。脱炭素の流れの中で、単なる経費節減とは違った観点から、塗着効率向上~塗料使用量の削減にむけた動きが出てきているのではないでしょうか?塗料使用量削減はCO2削減には合目的ではありますが、こうした数量減少にむけて業界として何ができるのか?何をするべきか?を考える時が来ているように思われます。

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