かんとこうブログ
2024.03.27
確かに正論かもしれませんが・・OECD対日経済審査報告書 その2
昨日の続きです。昨日は「ショックに対するレジリエンスを高める」と「生産性を飛躍的に高める」をご紹介しました。今日は残る二つの課題「人口動態の 逆風を 抑制する 」と「環境問題への 挑戦 」です。
「人口動態の 逆風を 抑制する 」からご紹介します。これはいわゆる少子高齢化問題です。スライド抜粋とともにご紹介します。黒字はスライドの見出し、青字はこれに対する提言です。
上段左図は定年制の実態で、まだ60歳定年の企業が多いのが実態です。上段右図は父親の育児休暇取得率の推移で、いまだ20%にも満たないのが現状です。下段左図は、男性と女性の非正規割合の推移で女性の非正規がまだ圧倒的に多いことを示しています。下段右図は高スキル外国人労働者に対する条件を指数化したもので、日本はOECD平均よりも劣っています。こうした状況に対しての「提言」は以下のようになります。これを踏まえてOECDは次のように提言しています。
「働きたい人にはもっと働いてもらい、年金支給開始を遅らせなあかんやろ!少子化対策は父親に育児休暇を取らせればええんや、そなら出生率はあがるわ。だいたい正規社員を可愛いがりすぎや、条件落としてその分女性の非正規の条件を改善したらええ。海外から人に来てもらおうと思ったらもっと条件ようせなあかんわ!」
最後の課題は「環境問題への 挑戦 」です。これもスライドと一緒にご覧ください。
左図がCO2排出削減計画予想図ですが、これは前回から「本当にできるのか?」と辛らつな表現をされていました。右図は発電中の再生可能エネルギー割合の図で、日本はOECDの平均を下回っています。
これについての「提言」は「そないな絵に描いた餅みたいな計画で大丈夫なんか?排出権取引の価格やかて、えらい安い設定やし、発電やかて再生可能エネルギーの割合は低いは、送電網は電力会社毎にキレギレで全体が繋がってないし、ほんまにできるんかいな?」と言う風に聞こえました。
以上がOECDの対日審査報告書です。皆さんはどう感じられたでしょうか? 確かにOECDの提言は正論かもしれませんが、日本がそのまま実現するのは難しいものに聞こえると思います。しかし、OECDの提言は海の向こうからはどうも日本がこのように見えているということのようです。とすればこれと真摯に向き合う必要があるのかもしれません。