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かんとこうブログ

2024.05.29

パリへの道 その2のおまけ・・総合ランキング

昨日は、パリ五輪の陸上競技の出場条件や現在の世界ランキングについてご紹介しましたが、実はこの世界陸連のランキングには、「総合ランキング(Overall ranking)」という項目があります。これは種目を超えて誰が一番優れた記録を有しているのかがわかるようにと、各種目の記録を点数’(スコア)に換算して比較しているものです。

混成競技(男子の十種競技や女子の七種競技)では、ひとつひとつの種目の記録を点数に変換しその合計で順位を決めていますが、その際に使用される換算表がすべての競技にも用意されており、全競技者についてのスコアのランキングが存在しており、男女や種目を問わず誰が最も優れた競技者なのかを客観的に示す指標として使用されています。今日はこの総合ランキングについてご紹介します。

日本選手の総合ランキング男女上位30人ずつを下表に示します。種目名は英語のままにしてありますが容易におわかりいただけるかと思います。

男子のトップは110Mハードルの泉谷選手、ついで3000M障害の三浦選手、3位4位が競歩の川野選手と野田選手、5位が100Mのサニブラウン選手で、いずれも昨年の世界選手権で活躍した選手達です。女子のトップはやり投げ女王の北口選手で、2、3位はマラソンの安藤選手(忍者走り)と前田選手、4位は長距離の田中希美選手、5位は再びマラソンで鈴木(亜由子)選手でした。いずれも有名な選手達であり、ああ、あの選手かと皆様の記憶にも残っているのではないかと思います。

これら男女30人ずつの種目別内訳を調べてみると大変興味深い結果になりました。下図をご覧ください。

男子も女子もマラソンがトップまたはトップタイになっています。このところ必ずしも世界大会では目立った成績を残せていない日本のマラソン選手ですが、その層の厚さは世界有数で、女子については間違いなく世界一です。女子の場合、総合ランキング上位30人中16人がマラソンの成績によってランキング上位に入っています。

ついで競歩も男子のトップタイ、女子の4位タイとなっており、日本のロード競技の強さを示しています。ロード競技以外で、男子の複数選手がランキング入りした種目は、3人が110Mハードル、400Mハードル、400M、2人が100M、10000M、3000M障害、走高跳となっており、いずれも選手層が厚く選手が切磋琢磨している種目でもあります。

ロード競技以外で女子の複数選手がランキング入りしている種目は、長距離、1000Mハードル、やり投げとこれも選手層が厚く切磋琢磨している環境にあるのは男子と一緒です。つまり選手層が厚く切磋琢磨している種目のレベルは高いということなのです。反面、男女ともの中距離、やり投げ以外の投擲、棒高跳びはひとりもランキング入りしておらず、世界のレベルから遠いことが窺えます。

それでは世界に目を転じて、世界の総合ランキングトップ10をご紹介します。ここに名前の挙がった選手は超一流の選手であり、パリ五輪でも大活躍間違いなしと思われます。

男子のトップはこのところ世界記録を連続して更新している棒高跳びのデュプランティス選手、ついで砲丸投げのクローザー選手、短距離のノア・ライルズ選手、さらにノルウエーの2人、中距離のインゲブリッツエン選手と400Mハードルのワ―ホルム選手です。女子のトップは1500Mの世界記録保持者で5000M、10000M歴代2位の記録を持つケニアのキピエゴン選手、短距離のジャクソン選手、オランダの400Mハードルのボル選手(マイルリレーも強い)、エチオピアの中長距離ツエガエ選手と続きます。

スコアが1500点を超えているのは男子で7名、女子で5名であり超一流の証拠です。日本選手の最高は北口選手の1432点ですので、まだまだ世界のトップとは差があります。日本選手の世界総合ランキング順位をみますと、北口選手の女子の30位、泉谷選手の男子の48位がそれぞれの最高位です。この総合ランキングは別に何の表彰も行われませんが、アスリートにとっては大きな勲章であることには疑いがありません。

しかしながら、選手達にとってより重要なのは、最終の世界ランキングでターゲットナンバー以内の順位にはいることです。これからあと1か月あまり、全てを賭けた激しい闘いが続けられます。オリンピアン(オリンピック選手)の称号こそが何にも勝る名誉であり、一生の勲章のようです。

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