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かんとこうブログ

2024.06.24

SDGレポート2024 その1 2030年の目標達成は困難な見通し

6月17日に2024年のSDGレポートが発表されました(下記URL)。新聞などではあまり大きく取り上げられなかったようですが、毎年フォローしているので、今日と明日の2日間、このSDGレポート2024についてご紹介していきます。

https://dashboards.sdgindex.org/rankings

   

このランキングは下図の17の目標に対する達成度という形で評価しており、それぞれの目標について、3~10の評価項目が設定されておりその評価に係数をかけてその目標に対する達成度としています。

   

   

   

今年のランキングですが、下表のようになります。日本は昨年まで順位を下げ続けており、昨年は過去最低の21位でした。今年は少し順位を上げて18位となりましたが、肝心の進捗はというと必ずしも順調ではなく17目標に対する評価では2つの目標について評価を下げてしまいました。このあたりは明日詳しくご紹介したいと思います。

ただ上表をみていただくとわかるように、日本よりも上位の国はすべてヨーロッパです。つまりヨーロッパ以外では日本は最もランキングが高い国なのです。残念ながらスコアが少しだけ80に足りませんでしたが、80になれば一応最上位グループの仲間入りとなります。

今日は世界全体の進捗を中心にご紹介していきたいと思います。

この地図は各国のスコアを色で表記したものですが、一見してヨーロッパに濃色が集中していることが判ります。そして薄い色はアフリカに多いことも明白です。つまり地域によって、というよりも貧富の差によって、SDGの進展が大きく異なっています。これが最初の重要なポイントです。

次に世界平均の進捗です。17の目標に対しての世界平均の進捗度が下図のようになります。

17の目標はすべてオレンジ色か赤色になっています。つまりいずれも重大な問題が残ったまま(赤)か、課題がかなりのこっている(オレンジ)かのどちらかの状態しかないのです。評価は4段階でこの先には、課題が少し残っている(黄色)と課題解決(緑色)の2段階があり、世界の目標は2030年にすべての国が17の目標を達成すること、すなわちすべて緑にすることなのですが、それはもはやかなり不可能な状態になりました。これが2番目の重要な結果です。

次は国家をいくつかのグループに分けた時の進捗の状況です。

2015年から2023年までの、高所得国、BRICS及びBRICSプラス、小島嶼途上国、低所得国の進捗の状況を示しています。BRICS及びBRICSプラス、小島嶼途上国は世界平均に近いところで推移していますが、高所得国は世界平均のはるか上を、低所得国ははるか下を推移しています。これがSDG進捗の実態なのです。とにもかくにも所得の差によって歴然たる差異が生じており、それが解消される方向には動いていません。

この報告書の重要な調査結果として以下のようにまとめられています。

全体の進捗の遅れ、国ごとの格差拡大に対して、世界の金融構造改革の必要性と自国主義を捨て多国間主義を強化し、持続可能な食料生産のための土地の利用を提唱しています。このままでは到底目標を達成できず、そのための改革が必要だと主張しているのです。

以上が世界の状況ですが、明日は日本のランキングと評価内容について詳しくご紹介します。

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