かんとこうブログ
2024.08.21
7月は前年比大幅増、でも8月は再び大幅減の予想・・業況観測アンケート
昨日日塗工から7月度業況観測アンケートを受領しました。すでに組合員の皆様にはFAXでお送りしているところですが、例月の補足報告をいたします。
まず、2023年7月からの需要分野別の出荷金額前年比の一覧表です。
7月の需要分野別は、6月と打って変わって全面的に大幅前年同月比越えとなりました。わずかに木工が前年比100に届きませんでしたが、6月に比べると前年比は全ての分野で大幅にアップとなりました。ところが残念なことに8月の予想は全体の数量、金額とも6月並みの予想となり、ひと月ごとにアップダウンを繰り返す様相です。このような状態はあまり経験がありません。何か特別な事情でもあるのでしょうか?こうして乱高下する前年比が、はたして塗料の需要状況を適切に反映しているのか疑問に思うほどです。
ただし今年に入ってからの乱高下は経産省確報も同様であり、3月の大きな落ち込みは、たまたまカレンダーの関係で稼働日数が例年よりも2日すくなかったためと説明されているようです。業況観測アンケートと経産省確報の比較グラフを下に示します。どなたか6月の落ち込みと7月の急回復について理由を教えていただけないでしょうか?
2024年の現在の状況がコロナ前と比較してどうなのか?について、例月のように業況観測アンケートの前年比を累積したデータを示します。2018年以降の各月の前年同月比を掛け合わせていくもので2018年の各月を100とした各年の指数が得られます。今月は5月から7月までの結果を示します。
月によって差はありますが、出荷金額について見れば各月とも2023年には2018年の水準に追いついており、2024年は、ほぼすべてのケースで2018年を上回っています。例外的に2018のレベルに達していないのは、これまでのところ1~7月の木工用と2・3月と6月の自動車用だけでした。(上のグラフの赤丸で囲ったところ)
金額的にはコロナ禍前の水準に戻っていますが、数量的には繰り返しご報告しているようにコロナ禍前に戻るどころか年々減少しています。数量については、これまで業況観測アンケートではなく、経産省確報の数値から同業者向け出荷を除いた純出荷数量で示してきました。なぜこの数値を使っているかというと、これが最も正確に実際の需要を表していると考えるからです。(機会があれば、業況アンケートの数量と確報の純出荷を比較して示したいと思っております。)
今月も確報の純出荷の最新データとして6月分をご紹介しますが、やはり前年よりも減少しています。7月は前年比がプラスになるので上向くと思われますが、それでも2018年比で90を超えることはないと思われます。
これらを別な形で表したのが下図です。このままいくと2024年は2018年以降の最低出荷数量を下回る可能性が高いと思われます。