かんとこうブログ
2024.09.18
ついにワニの口閉じる!・・8月の業況観測アンケート
奇しくも確報と同じ13日に業況観測アンケート8月度結果を受領しました。これも組合の皆様にはすでにFAXでお知らせをしておりますが、例月のように若干の補足データをご紹介したいと思います。
この1年間の業況観測アンケートのデータ一覧表です。
このところ、前年同月比が毎月のように乱高下しており、2023年はずっと前年越えを記録していた全体の出荷金額も、今年に入ってからは3勝5敗で下回る方が多くなりました。数量の前年比は2勝6敗で今年の勝ち越しはなくなりました。需要分野別でも、建築外装5勝3敗、自動車2勝6敗、船舶構造物7勝1敗、電気・機械・金属5勝3敗、木工2勝6敗と自動車、木工の2024年勝ち越しがなくなりました。
続いて、業況観測アンケートと確報の前年同月比推移を示します。数量と金額の前年同月比の数値はこの2年以上金額が数量を大きく上回る現象が続いていましたが、ようやくここへきて乖離が解消されつつあります。原材料高騰に基づく単価上昇が一段落してきていることの現れと考えています。(業況アンケートの最新は8月、確報の最新は7月で異なっています)
次にご紹介するのは、各需要分野別の動向です。需要分野別動向はこの業況観測アンケート以外に統計がないのですが、残念ながら絶対値ではなく前年同月比の%データしかありませんので、現在がコロナ前と比べてどのような水準にあるのかただその数値を見ただけではわかりません。前年同月比の推移をグラフ化しても現在の相対的位置はわからないのです。そこでこのところ、各年の同じ月の前年同月比を毎年毎年累積した数値を求めてきました。2018年を100として毎年の同じ月を前年比を累積していったものを示します。1月から8月までをご覧ください。
それぞれのプロットは2018年を100とした場合の相対的な数値を示しています。1月から8月までを見て気づくことは、①多くの月で2022~2023年で2018年レベルに復帰している。②2024年もほとんど2018年レベルを超えた位置にあるが、3月と6月だけは再び100を下回った(紫の楕円で囲んだところ)。③需要分野別で特に気になるのは木工で、2023年、2024年においても100を下回っている月がほとんどである(赤い小円で囲んだところ)
これら需要分野別の前年比は金額のみで数量についてはわかりません。数量についてはより厳しく需要を見るため確報データから日塗工が推計している純出荷数量(出荷総数から同業者出荷を除いたもの)で毎月の推移をグラフ化しています。
これを見ると一目瞭然ですが、数量については全くもってコロナ前には戻っていない(左図)ことが解ります。また純出荷数量の指数値(右図)もコロナの落ち込みから多少は回復したものの、依然として漸減傾向が続いていることがわかります。左図を各月ごとに分解したものを下に示します。幸い7月は少し盛り返すことができましたが、続く8月9月が前年比割れのようですので、落ち着いて見守っていきたいと思います。