かんとこうブログ
2024.11.15
とりあえず日本ペイントの2024年12月期第3四半期の決算概要です
昨日発表された日本ペイントホールディング株式会社の2024年第3四半期決算の概要をご紹介します。発表された決算の概要を下表に示します。
第3四半期単独の決算結果として、全社では短信ベース、実質ベースとも、増収減益となりました。ただし、1~9月の累積では、増収増益を堅持しており、通年の見通しにおいても変更はなく過去最高を更新する見込みと書かれています。
主要セグメントでみると、第3四半期ではNIPSEA中国の営業利益が前年を下まわり、DULUXグループも欧州の部分で1~9月の営業利益が小幅ながら前年を下回りました。
第3四半期の業況をもう少し詳しく地域別で見ていきたいと思います。各地域の売上、営業利益、営業利益率の一覧表とそれらのグラフを下に示します。
表中に前年割れを示す赤字が目立ちます。売上。営業利益、営業利益率3つとも前年を下回ったのは、NIPSEA中国以外とトルコ、Duluxグループ欧州でした。いずれも難しい市場状況であったと思われます。このほか営業利益が前年を下回ったのはNIPSEA中国、営業利益率が前年を下回ったのはNIPSEA中国に加えてインドネシア、米州でした。
第3四半期の市況については、今後の見通しとともに以下のように示されています。
一瞥してわかるように分野別の需要はよくて平常レベル、中国TUBと自動車は軟調気味ということがわかります。第4四半期でもほぼ同じでわずかに米州の自動車のみが改善の見通しとなっています。
次に1~9月の各地域の売上、営業利益、営業利益率の一覧表とそれらのグラフを下に示します。
1~9月の累積では、前年割れは少なくなっており、NIPSEA中国とDulux欧州のみとなっています。営業利益率まで広げてみるとNIPSEA中国以外とトルコで前年割れが見れらます。毎回驚くのですが、インドネシアの営業利益率が30%を超えており、驚異的な高さとなっています。
次に需要分野別売上を見てみたいと思います。
1~9月の累積です。汎用、自動車用、工業用とも日本以外の地域では売り上げが増加しています。全体として、汎用が11.1%、自動車が4.7%、工業用が8.7%売上を伸ばしました。
さてこの決算発表では、通年の見通しも示されており、以下のような数字がありました。売上収益としては2月時点の予想として1兆6000億円という数字が示されていますが、第4四半期の予測が2023年の第4四半期の15%増であるので、この通り計算すると1兆6000億円は上回りそうです。
2024年の売上でAkzoNobelに追いつくのは難しいかもしれませんが、先日発表された大型M&Aによる売上増も見込めますので、近いうちに追いつく日が来るのは間違いないと思っております。