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かんとこうブログ

2024.11.20

9月度確報における塗料原材料価格動向

例月のように、経産省確報(生産動態統計調査)9月度から塗料原材料の価格動向をご紹介したいと思います。今月は、タイトルとして特筆すべき事項がみあたりませんので、淡々とご紹介していきます。

最初は樹脂原料です。

単価上昇が3品目、下落が3品目ですが、先月から5%以上変動したのは、ビスフェノールA、エピクロルヒドリンの2品目でいずれも価格は上がりました。5%以上単価が変動した品目については、後で出荷数量と出荷金額の推移をご紹介します。

次は有機溶剤です。

有機溶剤は、6品目すべての単価が下がりました。5%以上下落したのはエチレングリコ―ル(モノエチル)エーテルとMIBK(メチルイソブチルケトン)、合成ブタノールの3品目でした。

続いて顔料です。

顔料品目中、単価が上がったのは酸化第二鉄のみで、あとは単価が下がりました。5%以上変動したのは、アゾ顔料とフタロシアニン顔料の2品目でした。

最後は合成樹脂です。

合成樹脂については、これまでの原料とは逆に5品目中、4品目の単価が上がりました。5%以上単価が変動したのは1品目もありませでした。

では5%以上単価が上がった品目の出荷数量と出荷金額の推移です。

この両品目は、いずれも出荷数量が一貫して減少傾向にあります。こうした原料は注意が必要で、必然的に価格が上がりやすい傾向にあります。これまでのところ。出荷数量と金額が大きく乖離する傾向にはありませんが、エピクロルヒドリンは、金額が数量から離れつつあるのが気になります。

次は5%以上単価が下がった原材料です。

ここに示した先月から単価が5%以上下がった原料は、先ほどの単価が上がった原料ほどには出荷数量が減少傾向にはありません。しかしながら、2021年1月以降の全体を眺めると、長期的には金額と数量が乖離傾向にあり、金額が上に離れつつありますので、長期的には値上がり傾向にあるものが多いと言えます。価格変動の中で長期的には価格が上っていくと見ておく方が良いと思います。

最後に、2021年1月を100として指数でみた単価の現在値です。全体の平均では148.2であり、先月から3ポイント下がったとは言え、2021年1月以降の44ケ月間で48.2%も値上がりしていることになります。塗料の主要品目の単価指数としては、48.2%アップを超えるのはシンナー類のみで、最も単価上昇の大きいアミノアルキド樹脂塗料でも29.8%アップに過ぎません。塗料はまだまだ価格転嫁できていないのかもしれません。

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