かんとこうブログ
2025.01.29
再生可能エネルギー発電世界の状況 その1
今日から2日間、IEA(世界エネルギー機関)の再生可能エネルギー発電2024年報告書から、再生可能エネルギー発電の世界の状況をご紹介したいと思います。引用した資料は以下の2つの報告書です。
https://www.ireさいkorg/Digital-content/Digital-Story/2024/Dec/2024-a-Year-of-Records-for-Renewables-Yet-Progress-Falls-Short-to-3xRenewables-by-2030/detail
https://www.irena.org//media/Files/IRENA/Agency/Publication/2024/Oct/IRENA_Renewable_energy_and_jobs_2024.pdf
まずは、2024年における再生可能エネルギーの増加についてのが概要を見てみたいと思います。
タイトルがその概要を端的に表しています。再生可能エネルギーはかつてないほど増加したが、それでも2023年に2050年カーボンニュートラルを目指すためのマイルストーンに対しては極めて不十分であるということでした。実際のCO2排出量は、わずかに減少はしているものの、気温上昇1.5℃に抑制するためにるべき線からはもちろん、過去のCOPの宣言からも大きく逸脱しています。
とはいうものの再生可能エネルギーの増加は着々と進んでいます。
この図は、1.5℃までに気温上昇を抑制するために、2023年に473GW(ギガワット)/年であった新規再生可能エネルギーの増加を2030年には1044GW/年にしなければならないこと、そしてそのためには毎年16.4%増加させなければならないことが示されていますが、2023年の増加率は13.9%であり、16.4%と言う数字は決して不可能ではないようにも見えます。さらにコスト面でも進展があります。
この図で示した太陽光、風力(洋上、地上)、集光型太陽光のいずれもコストが低下してきており、さらに
2023年の実績として化石燃料から再生可能エネルギーに切り替えたケースでは発電コストがダウンしていることから、2030年にむけて再生化可能エネルギー発電への転換に追い風となるとしています。
以上が大まかな再生可能エネルギー発電の話です。ここから発電種別に見ていきたいと思います。以下は再生可能エネルギー発電の内訳です。
ご覧のように再生可能エネルギー発電は2010年から2023年までの12年間で3倍近くに増加しています。2023年時点で、水力、風力、太陽光の3つが再生可能エネルギー発電の御三家です。ついでバイオ燃料が存在感を示す程度の割合を維持しています。
さらに細かく発電種別に見ていきます。最初は日本でも広く普及している太陽光撥です。
これを見て驚いたのは中国の突出ぶりです。新規増加では世界の6割以上、累積でも世界の4割以上の太陽光発電を行っていることです。中国と言えば石炭火力主体というイメージでしたが、太陽光もこれだけの規模で行っているというのは知りませんでした。日本でもおなじみの太陽光発電ですが、日本は敷地などの問題で頭打ちの感があり、累積でこそ世界3位、シェアも6.2%ありますが、新規においては世界の1.2%に過ぎません。日本の再生可能エネルギー発電の主力である太陽光でもこの程度のようです。
以下、風力、水力、そしてそれによる雇用の創出と続きますが、これ以降は明日といたします。