かんとこうブログ
2025.01.30
再生可能エネルギー発電世界の状況 その2
昨日の続きです。風力発電からご紹介していきます。
ここでも中国です。新規で6割越え、累積でも4割越えは太陽光と同じで、再生可能エネルギー発電では、世界を席巻んする勢いです。日本はここではその他に分類されていますが、新規では0.85GW、累積でも5.2GWに過ぎず、累積では世界の0.5%程度に過ぎません。続いて水力です。
実は再生可能エネルギー発電の中で水力だけはむしろ減少しています。古くから利用されてきた技術であり、なかなか新規に開発できる場所がなくなってきているものと思われます。
ここで少し視点を変えて、こうした再生可能エネルギー発電がもたらす雇用の創出についてご紹介していきたいと思います。
数字の単位は1000人です。2023年には世界全体で1600万の雇用が創出されたとありますが、約半数は中国です。さらにアジア、欧州、ブラジル、アメリカと続きます。発電種別ではどうなるのでしょうか?太陽光撥電からです。
太陽光発電そのものでは、新規において中国が6割を占めていましたが、雇用も65%が中国でした。日本は6番目でした。このように雇用創出と新規エネルギー発電量とは相関しますので、風力の雇用数は割愛してバイオ燃料発電をによる雇用の増加を見ることにします。
バイオ燃料発電についてはブラジルがトップであり、それによる雇用もブラジルがトップでした。続いてインドネシアというように、バイオ燃料の原料となる植物のとれる国が上位を占めています。バイオ燃料と言うとバイオエタノールやバイオディーゼルと言ったものが想像されます。実際にブラジルではバイオエタノール100%の代用ガソリンで車を走らせています。ただ、発電に使用されるのは、木質燃料やバイオマスガスのようです。
この報告書の後半には各国の再生可能エネルギー発電に関するコメントがついていました。日本については以下になります。
以上気の付くままに情報を拾ってみましたが、驚いたのは、①再生可能エネルギー発電は化石燃料よりもコスト的に有利、②太陽光、風力両方の分野で世界の新規増加容量の半分以上が中国によるものである ということです。
②はともかくとして、日本における太陽光発電は化石燃料発電よりも安いというイメージはありませんでした。2030年には安くなるようですが、その時点でも化石燃料由来発電との差はわずかです。日本では最も普及している再生可能エネルギー発電だけに何か釈然としない気がします。
ところで将来の日本の電源構成については、すでに2030年、2040年の目標が発表されています。2030年には再エネを36-38%にするという計画ですが、数値達成の見通しは大変厳しくなっています。2040年の電源構成では、さらにこれを進め、再生可能エネルギーを「4~5割程度」とし、「主力電源として最大限導入する」としています。この内訳は、太陽光は22-29%、風力4-8%、水力8-10%、地熱1-2%、バイオマス5-6%となっており、太陽光が主力になっています。今のシリコン型では適する土地の不足が指摘されており、新規参入が減速しています。ペロブスカイト型太陽電池や洋上風力発電など期待できる方法は存在しますが、実現にはまだ時間がかかる状況です。