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かんとこうブログ

2025.01.16

ひとりあたりGDPが韓国に抜かれた理由は?

1月13日に掲載されたYouTubeの動画に、高橋洋一先生の「一人当たりGDPが韓国に抜かれた、日本の労働生産性が低い?見当違い!理由は単純」というものがありました。先生は極めて単純明快に韓国に抜かれた理由を説明していましたので、その内容をご紹介したいと思います。

韓国に抜かれた理由について先生は二つのグラフを示して説明していました。ひとつはG7の名目GDPの推移、もう一つは名目政府投資の推移でいずれも1991年を100とした指数で描かれていました。そのグラフを再現しようと思ったのですが、残念ながら政府投資(公的固定資本形成)の推移のデータを探せませんでした。代わりと言っては申し訳ないのですが、類似のデータを見つけましたので、それを最初に紹介します。

両方のグラフを見比べていただくと良く似ていることが理解されると思います。ただし先生のグラフは1991年が基準ですが、上図は1996年が基準です。左右のグラフの国別の推移がとても似通っており、先生はこれは単なる相関関係ではなく因果関係であると説明しています。

この因果関係についても説明している資料が見つかりました。

もともとの出典は国土交通省資料のようですが、とにかく1996年から2012年までの16年間における各国の固定資本形成伸び率とGDP伸び率をプロットすると正の相関関係となるとしています。因みに近似式を書けば図中に記入したような式になると思われます。この近似式に従えば、固定資本形成伸び率が100%までは、それを上回るGDPの伸び率が期待できることになります。

また別の資料でも公共投資が及ぼすマクロ経済への影響として以下の記述がありました。

この記述では、公共投資を増やすとGDPを複数年にわたり増加させる効果があること、そして債務残高をむしろ下げる効果があることが書かれています。高橋先生はこうした効果にういて、政府投資を行えば、民間投資も出てくるとして、例として道路建設や鉄道敷設を上げて、新しい道や路線を作れば、それに伴いいろいろな施設が必要となり民間投資も行われ雇用も産まれると説明しておられました。

さらに日本において政府投資が抑制されている原因として、公共投資が採択基準を満たすかどうかを判定する際に使用される金利が極めて高い4%/年に設定されていることを上げ、意図的な金利設定が公共投資を抑制している旨の発言をされていました。

以上が先生の説明プラスαの内容です。一応私としても自分でグラフを描くべく努力した証としてG7+韓国についての1991年からの名目GDP推移と日本の公的資本形成の推移のグラフを示します。

ここで見ていただきたいのは、左側のGDP推移のグラフです。基準年を先生と同じ1991年にしていますが、一番最初にご紹介したグラフと同じ順番で推移しているということです。先生曰く「30年も立ち止まっていたら抜かれるのは当たり前」と言っておられました。GDPの停滞が労働生産性の問題ではないとしても、この先も公共投資が増えるとは思えませんので、国全体のGDPも一人当たりGDPも今後も抜かれ続けることになるのでしょうか?

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