かんとこうブログ
2025.01.17
インフルエンザも正月休み?!
本日厚生労働省から今年3回目のインフルエンザ感染状況に関する発表がありました。今年の1回目は1月9日で、昨年末12月29日までの第52週における定点あたり感染者数が1999年以来最高を記録したと発表されました。2回目は1月14日に発表があり、2025年第1週(~1月5日まで)の定点あたり感染者数が年末から半減していることがわかりました。これについて調査期間が正月休み中で、医療機関も閉じているところが多かったためではないかと言われていました。インフルエンザの感染状況が正月休みのためによくわからない状況だったのですが、前回発表からわずか3日という異例のショートインターバル本日今年3回目として、第2週(1月6日~12日)の感染者数が発表されたわけです。
第2週の1月6日~12日と言えばほとんどの医療機関は開いていたと思われますので、第1週をはさんで昨年からの比較で何か感染状況を推定できるのではないかと期待していました。結果は第1週からは微増でした。医療機関あたりの感染者数(全国平均)の推移を下図に示します。(厚生労働省資料をもとに作図)
赤い線が今年の定点当たり感染者数の推移で、昨年末の史上最高から今年の第1週では文字通り半減し、第2週ではそこからわずかに増加しました。しかし今年の感染者数の線の形はあまりにも過去のものと異なっており、またこれまででは最多感染期は1月から2月にかけてが最も多く、かつピークは3~4週間程度続いていることを考えれば、すでに収束に向かったという判断はできないと思われます。
本日厚労省から発表された別の資料では昨年のインフルエンザの定点あたり感染者数の推移が示されていますが、明らかに正月休みに感染者が減少し、その後また増加する様子が見て取れます。正月休みには、医療機関が開いていないところが多く、このため一時的に感染が収まったように見えるのです。
都道府県別の定点当たり感染者数の動向をグラフで示します。47都道府県のうち31で第1週と比べ第2週の感染者が増加しています。さらに沖縄県など昨年末では少なかった感染者がこの間増加し続けているケースもあります。従ってこうした点からも、昨年末の感染者数から半減したことで安心するのはまだ早いと思われます。
特に定点あたり感染者数が50人を超えている徳島県、愛媛県、高知県、宮崎県、40人を超えている宮城県、茨城県、栃木県、千葉県、静岡県、愛知県、和歌山県、山口県、長崎県、熊本県、鹿児島県は、これまでの基準からみれば立派に感染ピークのレベルですので、これまで同様に警戒が必要と思われます。全国的には南髙北低傾向は年末から変わりません。