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かんとこうブログ

2025.04.11

ここまではゆるやかな回復傾向でしたが・・日銀短観2025年3月調査結果

日銀短観2025年3月の調査結果が発表になっていました。各業種別の最新値を含むDI値の推移中心にご紹介していきます。お断りしておきますが、ここでご紹介するDI値はすべて中小企業のものであり、塗料業界にとってなにがしか関係がありそうな業種を選択してご紹介しています。

前回ご紹介した中小企業における製造業と非製造業の差ですが、12月度に比べ製造業が1ポイント改善、非製造業が変化なしでしたので、若干差が縮まりました。ただ、依然差は開いたままです。(下図)コロナ以降をたどると、2020年は製造業の落ち込みの方が大きかったのに対し、2021年は製造業がより早く回復しました。しかしその後は非製造業に逆転され、2022年以降は差が開く一方のように見えます。(図は日銀の時系列データ検索サイトで作成し引用しています。)

続いて製造業について大企業と中小企業の差を見てみましょう。ここでは大企業と中小企業はほぼ交わることなく、常に大企業の景況感が上位にあります。それでも中小企業のDI値が水面上に顔を出していますので現時点までは悪くはありません。

2018年から2025年の中小企業の業種別のDI値推移を示します。製造業全体では、わずかに改善となりましたが、業種別に見ると前回からの改善程度はかなり差があります。

今回は化学以外の業種以外は改善されていますが、DI値そのものでは鉄鋼の大きなマイナスは変わりません。非鉄金属が水面上に顔を出しました。現時点が2018年のレベルに戻っているかという観点ではいずれも下回っています。

この5業種では、造船重機と自動車が前回よりもマイナスとなりました。特に自動車は前回からマイナス7ポイントでした。トランプ関税の影響を最も受けると考えられる業種だけに今後がさらに心配されます。現時点が2018年のレベルに戻っているかという観点では造船・重機のみが辛うじて同水準まで肉薄しています。

続いて非製造業です。

非製造業では、建設、飲食業において前回比マイナスとなっていますが、DI値としては依然プラスであり好況が続いているようです。現時点が2018年のレベルに戻っているかという観点では不動産、小売、運輸・郵便、情報通信、宿泊飲食のDI値が2018年よりも高いレベルにあります。

最近一年間(2024年6月~2025年3月)とその前の1年間(2023年6月~2024年3月まで)との平均DIを比較してみました。(下図)

前年の平均DIがマイナスで最近1年の平均DIがプラスに転じた業種は、化学、窯業・土石、機械、電気機械、逆に前年の平均んDIがプラスで最近1年の平均DIがマイナスになった業種は、非鉄金属、金属製品、前年、最近1年ともにマイナスは石油・石炭と鉄鋼でした。前年・最近1年ともにプラスは、造船重機と自動車、非製造業の全業種でした。こうしてみると非製造業の好調さに比べ製造業の回復にはひ弱さを感じます。さらにトランプ関税が発動され、ますます不安が募ります。

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