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かんとこうブログ

2025.04.23

「首都圏マンション平均販売価格再び1億円突破」の実態

ネット記事に2025年3月の首都圏で発売されているマンションの平均価格が1億円を超えたと報じられました。再び地価の高騰がみられる中で、当然ともいえる事象ではありますが、以前調べた時には、平均価格はあくまで平均であり、高額マンションの割合が多くなると平均値が高額に極端に偏る傾向があることがわかりましたので、今回も全販売価格を調べてみることにしました。データは不動産経済研究所の4月21日発表分(下記接続先)です。すべてのデータはここから引用させて」」いただきました。

Microsoft Word - 首都圏発表資料2025年3月.docx

まず、平均販売価格と成約件数の推移からご紹介します。平均価格が1億円を超えるのは3回目です。ベースラインは確かにじりじりと上がってきてはいますが、今回も含め大幅に上がるケースは、大型の高額物件が発売された時であり、それにより平均価格が大きく引きずり上げられたものと思われます。回帰式を求めると毎月58万円ずつ価格が上昇ししており、1年では平均価格が700万円ほど上がってきていることになります。

面白いのは成約件数で、毎年12月に跳ね上がります。これは12月に購入すると、特に高額の場合はその年の固定資産税が軽減される可能性があるためと言われています。

次に首都圏の地域別価格帯分布をみてみたいと思います。

価格帯の区分は価格によって異なっていますが、地域別に大きな差があることが一目瞭然です。首都圏全体でも最多販売件数は1億円以上ですが、そのほとんどは東京23区内です。紫色が1億円以上の物件で、赤色がその地域の中央値です。中央値とは下から(または上から)数えて真ん中に位置する価格です。首都圏全体の中央値は7000~8000万円でした。前回の1億円超えの時の中央値は確か5000万円台でしたので、前回よりも価格が全般的に上昇していることがわかります。

地域別にみると、とにかく東京23区がとびぬけて高く、だいぶ下がって神奈川県、東京都下、埼玉県、千葉県の順になります。全体の分布と中央値の値に注目して比較していただければ明確に判断できます。

一方マンションの部屋数はどうなっているのでしょうか?これも地域別にデータが発表されていました。先ほどの価格帯分布とあわせると、部屋数と価格帯の関係が見えてきます。

下左図は価格帯と部屋数分布から、部屋数別の価格帯を推定した表です。部屋数で値段が決まると仮定して、それぞれの価格帯に部屋数を当てはめて表を着色しました。

これによると2LDKの最低価格は東京23区で6500万円、東京都下で4500万円、神奈川で4300万円、埼玉で3700万円、千葉で3000万円となります。同様に3LDKの最低価格は23区で1億円、都下で5500万円、神奈川で5000万円、埼玉で4300万円、千葉で3300万円となります。上の右下図でみると地域別では価格が高い地域ほど3LDK以上の割合が少なくなっています。(すなわち居住スペースが狭くなっているということです)

下表は販売の概況ですが、驚くことに地域別では東京23区が最も成約率が高くなっています。最も価格の高い地域が最も早く売れていくということです。

上表で平均販売価格と平均平米単価から、平均面積を計算してみました。最も面積が小さかったのは東京都下で、次いで神奈川、東京23区の順でした。平米単価の順にならないのは、23区と都下では3LDK以上の割合はほとんど同じであるのに、1LDK/1DK/1Kの割合が都下の方が高い(単身者用の割合が高い)ためです。

それにしても23区ではマンションの80%以上が1億円以上でした。ということは(上でも述べましたが)23区で3LDK以上の広さのマンションは、1億円以上ださないと買えなくなったということです。

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