かんとこうブログ
2025.08.02
寡占化傾向が少し緩和…Coatings World のTOP COMPANIES REPORT その1
毎年恒例のTOP COMPANIES REPORTがCoatings World 社から公開になりました。と言ってもこれを書いている8月1日現在では、まだ予告記事だけで、同誌のホームページで記事を閲覧できませんが、順位と金額だけならわかりましたので例年のスタイルで今日と明日の2日間にわたりご紹介していきたいと思います。
今回ランクされた会社は79社で昨年から2社増えました。一方で昨年ランキング入りした会社で今年外れた会社は1社もありませんでした。これは珍しいことで大型のM&A案件がなかったことを示しています。とはいえ長期的にみるとランキングに掲載される会社数は減少傾向であることには違いありません。一次近似式でみると毎年0.7社ずつ少なくなる計算です。
こうしたランキング会社が世界の塗料市場でどの程度のシェアを持っているか?についてですが、2022年以降やや減少傾向にあります。
これらのグラフはいずれも世界の市場規模をOrr &Bossのデータから引用させてもらい計算したもので、2024年に関して需要はまだ本当の推定値です。推定占有率は2022年以降下がり気味で2024年では上位10社が42.6%、上位30社が53.3%と算出されました。いずれにしても上位30社の占有率としては世界の塗料供給の過半数を超えているのではないかということです。
ランキング会社についての階層別の売上推移とランキング会社総売り上げに占める上位30社の割合を下図に示します。
上左図では、1-3位、1-10位、1-20位、1-30位のいずれも2022年以降頭打ちから減少傾向にあります。よく見ると金額的に影響度の高い1-3位の動向がそのまま反映されているとも言えます。後述するように1-3位の合計売り上げが減少したことおよび大型のM&Aがなかったことが要因と思われます。
上右図では、ランキング会社総売り上げに占める上位30社の割合を示していますが、これも左図に似ています。それだけTOP30社の中でTOP3社の動向が及ぼす影響が大きいことによるものです。
今年ランキング入りした79社の一覧表です。売り上げ金額と昨年からの順位の変動を示しています。
上位30社では大きな順位変動はありません。30位台では18アップの大日本塗料と16アップのRemmersが目立っています。日本の会社の顔ぶれは変わっていません。上場を終了したロックペイントも、非上場の武蔵ペイントホールディングスも掲載されています。
世界の上位30社です。前年にくらべ大きな順位の変動はありません。日本企業は4社が入っています。大日本塗料は31位とあと一歩でした。以降は明日に続きます。