かんとこうブログ
2025.09.02
8月はとてつもなく暑かったはずなのに・・
毎月ご紹介している前月の気温の平年値との比較です。昨日気象庁から6~8月の3カ月間の全国の平均気温が平年値に比べて2.36℃高く史上最高だったと発表がありました。確かにこの3カ月はいずれも気温が平年値を大きく上回りましたが、主要10都市で見ると平年値の上回り方では、8月よりも7月の方が大きく、さらに3カ月間で比べると今年の6-8月よりも、昨年の7-9月の方が平年値との差が大きかったのです。いずれにせよ、これだけ暑かった8月よりも平年値との差で言えば、さらに大きく上回る月があったということを言っておきたいと思います。データ元は気象庁の「過去の天気」です。
各都市の8月の日毎平均気温と平年値の比較です。
8月についても、ほとんどが平年値超えとなったのは7月と同じではありますが、その平年値超えの差が7月に比べるとむしろ小さくなっていました。7月は札幌、仙台などが平年値との差が5℃以上もありましたが、8月の平年値との差の最高は仙台の+3.15℃でした。
各地の日毎平均、日毎最高、日毎最低のそれぞれの月平均とそれらの平年値との差、および平年値超え日数の一覧表とグラフです。
平年値との差はほとんどすべてプラスであり、その差は北の方が大きいという傾向は同じですが、平年値との差の絶対値が7月よりも小さいのです。そのことは日毎平均気温、日毎最高気温、日毎最低気温の月平均の全国平均でみても明らかです。
しかし印象としては8月の方が暑かったように思えますので、特に暑さを印象付ける猛暑日の日数を調べてみました。
これら10都市の8月の猛暑日の日数は多い順に名古屋25日、大阪23日、東京18日、福岡14日となり、地理的な南北とは関係がありません。それどこころか、8月に猛暑日を観測しなかったのは、札幌と那覇だけでした。札幌はともかく那覇の猛暑日がゼロとは不思議に思われます。しかし、これは沖縄県がすべて島嶼部から構成されていることに加え、高い山がなくフェーン現象が起きにくいことによるものと思われます。今年の最高気温の日本記録更新が、山に近い内陸部で記録されてきたことを想起すれば頷けるのではないでしょうか?
とはいえ、気温全体が平年値を大きく上回っていることには変わりありません。加えて8月には豪雨と干ばつによる被害も報告されています。こうした降水量の二極化は、かねてからCO2による気候変動に伴う変化として予測されていましたが、いよいと現実化してきたということです。
これら10都市の8月の降水量について平年値と比較してみました。平年値よりも多い都市(新潟、広島、福岡、鹿児島)と平年値の半分程度(東京、名古屋、大阪)に分かれます。そして降水量が少なかった都市における猛暑日の日数が極めて多かったことになります。
残念なことに、今でも世界中で排出される二酸化炭素は増えつづけています。多少の変動はあるにせよ日本の夏はこれからもさらに暑くなることは不可避であると思われます。