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かんとこうブログ

2026.03.10

日本の原油備蓄について

アメリカ、イスラエルによるイラン攻撃のためホルムズ海峡が封鎖され、中東に原油を依存する日本にとって原油が入ってこない状態になりました。すでにガソリンの価格が上昇をはじめ、いずれ石油製品にも波及していくものと報道されています。一方で日本には大量の原油備蓄があり、こうした事態に対しても備蓄の放出が行われてもよいのではないかという気もしています。今日はこの原油備蓄について調べたことをご紹介します。

最新の備蓄状況に関して、資源エネルギー庁の発表文書をご覧ください。

日本には後で詳述するように国家備蓄、日本備蓄、産油国共同備蓄の3種類があり、合計で254日分(IEA基準では214日分)の備蓄があります。

それぞれの備蓄の意図、過去の備蓄放出事例などについてnote(下記URL)から引用してご紹介したいと思います。

https://note.com/sikoumemo/n/nefc3e9dfad62


3種類の備蓄の役割分担は下図のように明確に区分されています。

国家備蓄は国際的な危機および長期中断対応のため、民間備蓄は国内災害、短期不足対応のため、産油国共同備蓄は緊急時の優先供給確保・補完のためとされています。そしてそれぞれの放出決定プロセスについては、その備蓄目的に対応して定められています。(下図)

さらに具体的な各備蓄の説明が続きます。(備蓄日数は2026年2月時点のものです)

3つの備蓄の中で、事が起きた場合に最初に対応するのが民間備蓄です。国家備蓄よりも機動性が高く、東日本大震災の折にも1050万KLを放出し柔軟な市場対応を図ったとされています。さらに今回のイランの封鎖に対しても、当面の対応として決定プロセスが迅速に行えるすでに民間備蓄の放出要請が行われているそうです。

国家備蓄は、まさに今回のようなホルムズ海峡封鎖など「国際的で大規模な事案」に対応するべく設けられており、そのっ決定には政府閣議、総理判断が必要です。今回ホルムズ海峡の封鎖が長期的になれば、この政府備蓄の放出がなされる可能性があります。

最後の産油国共同備蓄は、量こそ7日分と少ないながらその戦略的意義は大きいとされています。中東の産油国内のタンクに備蓄されている石油を、非常時に日本が優先利用できる契約になっており、国家備蓄の最終補強役として、またIEAの定める備蓄基準日数達成に対しその役割は大きいとされています。

以上の3種類の備蓄は戦略的に構築されており、今回のホルムズ海峡封鎖が長期化するようであれば、この備蓄の枠組みの真価を問われる局面になると説明されています。

最後に国際経済研究所のサイトから、これまでの石油備蓄放出事案の一覧表を示して終わりたいと思います。これまでで最大の国家備蓄放出は東日本大震災の28日分であり、民間備蓄の放出で事足りました。ウクライナ危機の折にも放出されましたが、合計7日分でした。果たして今回のイランによるホルムズ海峡封鎖に対してはどのような対応になるのか、戦況とともに注目されます。

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