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かんとこうブログ

2020.06.16

世界の TOP3 塗料メーカーの 1~3 月期決算内容

先日日本ペイントの投資家向け説明会の資料についてご紹介しましたが、その際に少しご紹介した世界のTOP3塗料メーカーの決算内容についてご紹介をいたします。決算期が1~3月ですので、すでに情報としての鮮度は今一つですが、世界のTOPは、文字通り世界中にくまなく市場を有しており、なにがしかの参考になるのではと思い取り上げました。

資料の出典は、それぞれの会社のホームページに掲載されている投資家説明会資料です。主要な部分を和訳してありますが、全部掲載すると長いので、PDF版を付けておきますので興味のある方はそちらをご覧ください。全体を要約すると以下の表のようになります。

各社まとめ方が異なっていますので、同じまとめ方での表はできませんでしたが、全体を俯瞰できるようにならべてみました。

何よりも驚いたのは、Sherwin Williamsの決算です。1~3月と言えば、すでにアメリカでも感染が広がり、都市封鎖などが始まっていた時期も含まれているはずですが、アメリカ市場での売り上げが前年比7%ものプラスなのです。Sherwin Williamsはよく知られているようにアメリカの建築塗料の巨人です。2017年に工業用塗料を中心に国際的なビジネスを展開するValsperを買収し、文字通り世界のTOPグループに加わりました。TOP3の中では、最も建築用比率が高く、地域的にもアメリカ中心で偏りが見られるという特徴があります。好調なアメリカ市場のおかげで、全体としての売上げも利益も増加のようです。中身をみていくと機能性塗料セグメント(旧Valsper分)についても包装用とPCM用が好調であったため、売上減にならずに済んでいます。地域的にもアメリカ依存度が高いことが、この時期までは良かったと言えそうです。

PPGは、最近でこそ汎用塗料の会社を数多く買収し、工業用塗料の比率が40%まで低下しましたが、汎用の中でも建築塗料の比率が低く、TOP3社の中では最も建築塗料比率が少なく、自動車用塗料比率が高くなっています。この3社の中で最も売り上げを落としたのはPPGでした。特に自動車用は新車用・補修用とも二桁%で売上が減少したのが大きかったようです。航空機用も旅客の大幅減少で減少を余儀なくされました。建築用もEMEAなどで微減であり、世界全体として前年なみを確保できませんでした。

最後にAkzo Nobelですが、この会社は、オランダのAKZO、スウエーデンのCasco Nobel、イギリスのICI、インターナショナルなどが合併を繰り返して最初の1兆円企業となった会社であり、各分野、各地域で比較的バランスのとれた事業展開を行っています。ここも売上げが5%減とCOVID-19の影響をうけました。ただ建築塗料のEMEA(欧州、中東、アフリカ)で前年比1%減で押さえたのはホームグランドでの老舗の強さでしょうか?アジアでは前年比マイナス26%と大きな影響を受けましたが、中国の市場は3月以降回復してきているとグラフで紹介しています。特筆すべきは、こうした状況下で経常利益を前年比で31%増加させていることです。原材料状況が追い風であったにしろ、それ以外に経費を53億円節減したというのは立派な努力だと思われます。

この1~3月期の決算の特徴として、為替差損が生じていること、および原材料が比較的塗料メーカーにとって好ましい価格状況であったことは、3社に共通しています。

こうして眺めてみるといくつか気が付くことがあります。一つ目は自動車用塗料のインパクトの大きさです。第2四半期も引き続き大きな影響が懸念されます。もう一つは、牙城ともいうべき手堅い市場の有無です。Sherwin Williamsの影響の軽微さは、アメリカの建築用塗料市場での絶対的な優位性に起因しているように思えます。この3社の中では、今後もPPGが最も苦戦を強いられそうです。

今回、世界のTOP3について比較してみました。事業ポートフォリオとコロナショックの影響度合いには関係がありそうに思えます。今後とも、日本の市場を中心にコロナショックの影響についてWatchしていきますが、時々世界にも目をむけてその動向を確認していきたいと思っています。

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