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かんとこうブログ

2020.07.06

経済産業省の製造工業生産予測調査(6月、7月分)

今日は経済産業省の製造工業生産予測調査結果をご紹介します。6月以降の生産数量や金額に関して何か公的な調査結果がないかと思い、内閣府、経済産業省、国土交通省のホームページを探したのですが、唯一見つかったのがこの調査結果でした。これは、企業の今後2か月の生産計画を集計しているもので、6月30日に発表された結果には、6月分、7月分の予測が掲載されています。この調査結果ですが、なかなかよくまとまっているので、今日はそのまま文章ともども引用させていただくことにします。まずは予測指数からご紹介します。今回は、図表も経産省の資料を引用させてもらっています。経産省の説明文とともにご覧ください。

(左の表に対する経産省の説明文)6月の生産計画については、調査結果そのままを集計すると、前月比5.7%の上昇を見込むという結果になっています。ただ、この企業の生産計画には上方バイアスが含まれています。この6月計画値に含まれるバイアスを例年の傾向に基づき補正して、6月の鉱工業生産の実績を推計試算してみると、最頻値では前月比0.2%程度の上昇、90%の確率で収まる範囲はマイナス0.8%~1.2%の間、という計算結果となっています。

(若干の補足:バイアスとは、思い込み、偏りのことで、例年6月の生産計画は過大であることが多く、それを考慮すると「実質0.2程度の上昇の可能性が高く、0.2%プラスマイナス1%の範囲に収まる確率は90%である」という意味です)

(右の図に対する経産省の説明文)なお、仮に企業の生産計画通りの前月比で生産が行われると、6月の鉱工業生産の指数値は83.6、7月の指数値は91.3となります。一方、6月計画に含まれるバイアスを例年の傾向に基づき補正すると、6月は最頻値で前月比0.2%上昇となり、その場合の指数値は79.3となります。

(若干の補足)上の表は、6月7月それぞれの月において、上昇に寄与する業種、下降に寄与する業種とその対前月比の数値をまとめています。輸送用機械は自動車であり、4月5月に落ち込んだ分を取り戻すべく、両月とも前月比で二桁増の予定です。ただし、自動車の場合、4月5月の落ち込みがあまりにも大きく、仮に6月7月が計画通りであったとしても、コロナ以前にははるかに及ばない水準です。6月に二桁増を予定している生産用機械ですが、7月には下降寄与業種になっています。電機情報通信機械は両月とも上昇寄与、金属製品もわずかながら上昇寄与です。以上はあくまで集計結果であり、実際には、全体として6月の上昇は0.2+/-1.0%の範囲に収まるのではないかというのが経産省の見解です。次に、以上をまとめた経産省の総括を引用させてもらいます。

(経産省の総括)鉱工業生産は、4月に続き、5月も大幅に低下しました。企業の生産計画からは、6月から7月にかけて上昇に転ずる可能性が高く、生産の先行きは下げ止まることが期待されますが、ただ、6月は低下の可能性もあり、大幅上昇までは見込みにくいところです。いずれにしても生産は、今後も当面低い水準が続くものと考えられます。今後の生産動向も引き続き注意してみていきたいと考えます。

(若干の補足:製造業の生産減少は、6月で下げ止まり増加に転じると見込まれているが、季節要因と考慮すると6月はマイナスの可能性すらあり、当面コロナ以前の水準にはまだ遠い水準となるであろうということです)

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