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かんとこうブログ

2021.02.02

UV-Cで殺菌・・・人体に無害な理由

先日ニュースで、石川県の病院で遠紫外線を照射する殺菌装置がコロナ対策として導入されたということが報じられていました。この新しい殺菌装置で使用されている光の波長は222nm(ナノメートル=10のマイナス9乗メートル=1ミリメートルの百万分の一)であり、一般的にはUV-Cと呼ばれている光になります。UV-Cとは、UV-AUV-Bに比べてあまり聞かない言葉ですが、下の図にあるように、UV-AUV-Bよりもさらに波長の短い紫外線で、太陽から照射されるUV-Cがそのすべてがオゾン層によって吸収され、地表にとどくことはありません。


紫外線(UV) 横浜市 (yokohama.lg.jp)

紫外線については、光の波長が短くなるほどエネルギーは高くなり、より強い殺菌効果は期待できるけれど、皮膚や眼に与える影響も大きくなるので波長の短い紫外線をたくさん浴びてはいけないと覚えていました。しかしこのUV-Cを用いた新しい殺菌装置は、人間が存在する空間で常時照射することでその機能を果たすように作られており、人体、とりわけ皮膚や眼に対しても安全であるとの説明でした。殺菌力は高いが安全な紫外線とはいったいどのようなものなのでしょうか?

検索するとすぐにこの新しい殺菌装置は,ウシオ電機の製品であることがわかりました。この特殊な紫外線による殺菌装置は、エキシマランプ(水銀を含有しないエキシマ発光による紫外線ランプ。222nmを主波長とする単色紫外線光源を使用)と特殊な光学バンドパスフィルタを組み合わせて、人に優しい紫外線波長域(200nm-230nm)のみを照射するように設計されているそうです。
もともと、この技術は米国コロンビア大学(所在地 : 米国ニューヨーク市)が2012年に特許化したもので、ウシオ電機が全世界における独占実施権を持っていると説明がありました。

その殺菌効果と人体への安全性については以下のように説明されていました。

 

UV-Cの安全性に関するウシオ電機の説明はこれだけでした。要は、UV-Cは細菌やウイルスなどの小さな細胞には損傷を与える破壊するが、人間のような大きな細胞には核に用達できないため安全であるということらしいのですが、もう少し詳しい説明が欲しい気がします。

https://www.ushio.co.jp/jp/technology/challenge/500293.html
そこでもう少し検索を続けると今度は神戸大学の発表が見つかりました。ウシオ電機、島根大学と共同研究を行い人体の皮膚の安全性に関する実証実験を行った神戸大学の錦織教授らの発表内容に安全性のことが書かれていました。

神戸大学の発表内容から一部を抜粋、編集(図は引用)
https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/collaborations/2020_03_30_01.html
要はUV-Cの中でも222nmの紫外線は、殺菌力は高いが、深達度がとても小さいという殺菌力と安全性のバランスがとれた紫外線だということです。すでに実用化されているUV-Cでも、254nmの光では皮膚がんや白内障を引き起こすために人間の存在する場所での照射はできず、波長が222nmよりも短くなると、大気中での使用に支障があり、人間の存在する場所で常時照射する形で殺菌に用いることができないとのことです。

そう言われて思い出しました。UV-Aは波長が長いので皮膚の深くまで貫通し、シミやソバカスの原因になりますが、UV-Bは皮膚の表面で吸収されるため、日焼けの原因になるほか、皮膚癌や白内障などの疾患を引き起こす原因にもなると言われています。UV-Cはさらに波長が短く、生物の DNAに吸収される最も有害な紫外線と言われていますが、さらにもっと波長が短くなると皮膚の極表面でのみ吸収されてしまい、細胞にダメージを与えることがないということのようです。

費用対効果のほどは不明ですが、この新しい殺菌装置はなかなかの優れもののようです。

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