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かんとこうブログ

2021.03.23

世界水の日に・・

昨日は国連が定めた「世界水の日」でした。重要な資源である水について世界中の人たちとともに考えようという趣旨で設けられたとされています。世界では、安全な水を利用できない人がたくさんいるということは、時おり報道されていますが、このブログで取り上げようと思ったのは全く別な観点からでした。

先日世界各国の発電に占める再生可能エネルギーの割合についてご紹介しましたが、その際に意外に多くの国で水力発電が発電の主力を担っていることがわかりました。日本の水力発電は、発電量全体の1割にも満たない量ですが、日本は決して水資源量は少なくはないはずなのに、他の国よりも水力発電が少ないのかと思ったからです。そこで今日は日本はじめ世界各国の水資源と水力発電の量についてご紹介します。

まず地球上の水の量です。これは国土交通省のプレゼン資料にある図を引用していますが、正確な日付や発表の場がわかりません。ただ、今でも国土交通省のサイトに同じような図がでてきますので、古い資料というわけではなさそうです。

https://www.mlit.go.jp/common/001020285.pdf  「水資源に関する世界の現状、日本の現状」より引用

この図には次のような説明が付されています。これも引用します。

「宇宙から見た地球は青く輝き、「水の惑星」とも呼ばれています。実際、地球の表面の3分の2は水で覆われていて、およそ14億立方キロメートルの水があると言われています。しかし、その大部分は海水であり、淡水はわずか2.5%程度に過ぎません。また、この淡水の大部分は南極や北極地域などの氷や氷河として存在しているため、地下水や河川、湖沼などの水として存在する淡水の量は地球全体の水の約0.8%に過ぎず、さらにこの大部分は地下水であるため、河川や湖沼などの人が利用しやすい状態で存在する水に限ると、その量は約0.01%10km3)でしかないのです。」

水の惑星である地球において人間が利用できる水の量は、水全体のわずか0.01%に過ぎないと言っています。しかもその少ない利用可能な水は著しく偏在しているのです。以下に図のコピーをご二つ紹介します。上は水資源の多い国のリストで下は水資源の少ない国のリストです。この図は以下のサイトからの引用です。https://www.globalnote.jp/post-850.html

水資源の多い国

水資源の少ない国

水資源の多い国は、広大な国土を持ち雨が比較的多い地域に位置しています。水資源の少ない国はその逆で、多くは国土が狭小で、雨の少ない地域に存在しています。少ない国々の存在する地域は、中東、東アフリカ、やカリブ海、地中海に浮かぶ島国などが多いようです。しかし注目すべきは何と言ってもその偏在性です。年間に1立方km以下の国が多く存在している一方で、1000立方kmを超える国が15あります。

この水資源量を一人あたりに直して比較してみるとさらに格差は広がるようです。残念ながら上図を引用したサイトでは、有料での登録をしないとデータが開示されないので、無料で調べられる範囲で作図しました。

この図には、いわゆるOECD加盟国が中心であり、本当に水資源の少ない国は入っていません。しかしそれでさえ、最多のアイスランドと最小のデンマークでは約500倍もの差があります。水資源最少国の10か国ほどについて一人あたりの水資源量を計算してみました。最少はやはりクウエートでした。その量なんと0.0048立方メートル/人・年です。デンマークの200分の1にすぎません。アイスランドとの比較では10万分の1になります。

ところで肝心の日本はというと3.39立方メートル/人・年という数値です。上の図からもわかるように決して多い方にははいりません。実は日本は降水量こそ世界平均の2倍ほどありますが、水資源量では世界平均の約1/2、一人あたりにすると約1/4しかないのです。

最後に、当初の目的であった水資源量と水力発電の関係についてです。私が関心をもったのは、水資源量と水力発電量の関係ではなく、水資源量と全体に占める水力発電割合の関係でした。一応の答えは下図から得られました。一人あたり水資源量と水力発電割合はある程度相関があるということになりました。

国によりいろいろ事情がある中では、この相関係数は悪くないような気がします。日本もほぼ線上にありました。降水量は多くとも狭小な国土、急峻な流れでは利用できる水資源が限られてしまうと理解しました。

最後に、国土交通省の資料から見つけた衝撃的な資料です。

一人あたりの水(工業用水、生活用水)使用量と一人当たりのGDPの相関図です。両軸とも対数表示になっていますので、基本的には直線関係が成立するはずです。水の使用量で生産額が決まる・・水は命だけでなく豊かさの根源でもあるということです。水は大切にしなければなりません。

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