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かんとこうブログ

2021.06.24

Our world in Dataの続きです

昨日ご紹介したOur World in Dataからもう少しデータをご紹介します。おそらく日本のメディアでは紹介されたことがないのではないかと思います。少なくとも私は目にしたことがありませんでした。最初は各国のワクチン接種に対する考え方の分布についてです。

この図で注目すべきは赤色のワクチンを受ける意志がない人の割合です。この中ではイギリスについで少ない割合になっています。最も割合の多いのはフランス、ついでアメリカです。アメリカでのワクチン接種が進まなくなってきている背景には、高い割合でワクチンを受ける意志のない人たちの存在があります。

続いては、感染者と死亡者の割合についてです。

 横軸が累積の感染者数、縦軸が累積の死亡者数です。日本はちょうど中心線上に位置しています。すなわち、感染者中の死亡率が世界の平均であるということです。分布の下側にあるということは、死亡者の割合が低いということになりますが、あまり大きな国はなく、せいぜいシンガポールが際立った死亡者で目立っているくらいです。という図を見ると、なんだ日本は医療の技術が高く、感染者の治癒率が高いのではなかったのかと言われるかもしれません。がしかし、日本は確かにコロナによる死亡者は他の国とくらべて決して多くはないのです。
今度は見方を変えて、例年と比べた場合の2020年における死亡数の変化を見てみましょう。図の中で赤線が2020年の死亡数、黒線がその前5年間の平均値です。つまりこの両者の差が大きければ2020年の特殊要因であるコロナによって死亡数が増えたことになるというわけです。

グラフはすべて、横軸は1月から12月の期間を示しています。死亡数は冬が多く夏が少ないため、北半球では両端があがり、南半球では両端が下がった形になります。日本はアメリカやイギリス、さらにはブラジルと比べて赤線と黒線の間隔がさほど開いていないことがわかると思います。少なくとも爆発的な死亡者増加時期がなかったということがわかります。これは何を意味するかと言えば、日本の場合、感染者数が欧米に比べて少なかったということにつきます。(死亡者数については、2021年に入りかなり増加していますので、必ずしも現在はこう言えるかは断言できませんが・・)

つい最近まで感染防止の優等生であった台湾はさすがに赤線と黒線の差はほとんどありません。オーストラリアや韓国も日本と同じ程度でしょうか?ブラジルは、2021年のデータもプロッタされていますが、ますます死亡者が増加しているようです。

 

こんなことがわかって何がうれしいのか言われそうですが、いろいろな角度からデータを眺めることは客観的な視点から物事を見ることにつながり、冷静な判断力に繋がるのではないかと考えています。

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