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かんとこうブログ

2021.12.09

7-9 月の GDP に再び思うこと

昨日2021年7月から9月のGDP成長率(対前年比)の2次調整値が発表になり、1次発表値に比べ若干マイナスが大きくなりました。具体的には、下表のとおりで、名目で-0.6%(年率換算-2.5%)から-1.0%(年率換算-4.1%)となりました。各項目別に見ていくと前年比でプラスの項目もあり、民間住宅、政府最終消費支出などはしっかりとプラスになっていました。

7月~9月は第5波がすっぽり入る期間なので、前年比マイナスはやむをえないとは思うものの、前年の7月~9月とて、第1波の余波で経済回復がままならない時期であったことを考えれば、今年全体の経済の回復が心配になります。

この四半期毎のGDP発表では、時系列データも発表されますので、前回4月~7月の発表時と同じように、金額の大きなGDP構成要素について時系列グラフを書いてみました。たったひとつデータを書き足しただけなので、グラフについて書くことは基本的には変わりませんが、もう一度データを提示し、感じるところを述べてみたいと思っています。

実質季節調整値年額でのGDP, 家計最終消費支出、民間住宅、政府最終消費支出の4項目です。

今回のデータにあたる部分を赤くしてあります。政府最終消費支出を除き、すべて前回(4月~7月分)よりも減少しています。

「この4つのグラフの縦軸は、最大と最小の比率がおおよそ10:6になるように描いてあります。それはこの傾きを見てほしいからです。直線近似式とそのR2乗も載せておりますが、それぞれの近似線の傾きはおおよそGDP(全体)≒家計最終消費支出+民間住宅+政府最終消費支出となっています。つまりGDPが年々大きくなっている要因の最たるものは政府最終消費支出であるということです。そして、GDPの中で最も大きな比率を占める家計最終消費支出の成長の割合が最も小さいのです。こんなことは前から分かっていたことだと言われそうですが、日本の経済の実態はこんなものだったのかと心配になりました。」 前回はこうした趣旨の文章を書きました。今回もまた同じようなグラフを描き、同じような感慨に囚われます。

確かに今は非常時であり、特別な時期であるでしょう。しかし、単に前年比のデータを見て第5波だったから仕方なかったというだけでよいのでしょうか?世の中は回復ムードで人流も回復中です。くれぐれも第6波がこないように慎重な行動を続けたいものと思います。

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