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かんとこうブログ

2022.03.09

原油価格高騰への懸念

ロシアによるウクライナ侵攻は、経済的にも全世界に深刻な影響を与え始めていますが、そのひとつは塗料業界にとって非常に大きなインパクトがある原油価格です。原油価格については昨年のうちに大幅な価格上昇が起きており、ガソリン価格が今なお高止まりしていることは改めて説明するまでもないことになっています。

そうした状況の中で、塗料価格はどのように動いたのか大変気になるところですが、実はネットで探してみても塗料価格値上げという公式発表は大手の数少ないメーカーに限られていて実態はよくわかりません。そこで、公式の統計資料ではどのように現れているかを調べてみました。公式統計は経済産業省の化学工業統計月報しかありませんので、そこで集計されている出荷金額と数量から単価を計算し、指数化して動向を調べることにしました。

20211月の単価を100として、各月の単価を指数として表したものです。この経済産業省の調査は、従業員4名以上の事業所の生産と出荷を調査しているものであり、全体の数字は日塗工の各種調査よりも大きな数量、金額となっており、同業者間の出荷も区別されずに集計されています。指数をグラフにして並べてみました。

塗料については、溶剤系水系とも2021年の大半は目立った単価の上昇がなく、ようやく年末になり単価が上昇し始めた感があります。さすがにシンナーは4月以降明確に単価が上昇しており、他の石油製品同様に連続して価格が上昇し続けています。

一方で、原油がナフサ、あるいは灯油やガソリンと言った石油製品の価格の推移を同じように表すとどうなのでしょうか?全く同じ方法で指数化してみました。

これは一見して塗料の価格上昇など問題にならないほど大幅な価格上昇であるとがわかりません。12月の指数は、原油(WTI)137、ナフサが167、ガソリンが122、灯油が132と大きな数字になっています。

これをグラフに表すと以下のようになります。縦軸は揃えてありますので、線の傾きがそのまま価格上昇速度を表しています。

ナフサが原油をはるかに上回る上昇であること、それに比べるとガソリンや石油はそれほど大幅な価格上昇となっていないことがわかります。

一方で、これら原油や石油製品と比べると塗料の場合、最も価格上昇が大きかったシンナーでも12月の指数で115にしかすぎません。ガソリンとシンナーを並べるとガソリンの価格上昇が大きいことがわかります。(下図)

ただし、これまでの経験から見ると、原油価格が上昇するとナフサ価格は時間差なしに上昇するものの、溶剤価格は若干時期的に遅れて追随し、さらに加工品である樹脂などはさらに遅れて値上がりしていましたので、いよいよ年末あたりから本格的な塗料の値上げが始まったとも考えられなくもありません。

いずれにせよ、当面原油価格の高騰は続くと思われますので、塗料業界としてはさらに値上げをお願いせざるを得ない状況が続くのではないかと推測しています。

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