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かんとこうブログ

2022.04.01

日銀の製造業部門別投入物価指数・・塗料原料価格はこの1年余でどの程度上がったか?

日銀の企業物価指数サイトに時系列統計データ検索機能があり、それを使って塗料原料の物価指数の推移を調べることができます。(下記URL参照)以前にもご紹介したことがありますが、本年2月分のデータがアップされましたので、20211月を100としてこの14カ月でどの程度塗料原材料価格が上昇したかご紹介したいと思います。  

https://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/cgi-bin/famecgi2?cgi=$nme_a000&lstSelection=PR03

塗料原材料と書きましたが、単に物質名が書いてあるだけなので、その物質が塗料用であるという確証は何もないのですが、同じ物質が用途によって全く値段が異なるということもないと思いますのであくまで目安としてご覧いただければ良いと思います。驚くのは、多くの原材料がこの14カ月で大幅に上がっていることです。

まずは比較的値段が上がっていないものからご紹介します。

酸化チタンでも10%は上昇しています。無機顔料はさすがにほとんど影響がありませんでした。意外なことに合成樹脂類も比較的影響が少ないという結果でしたが、これは、原料から最終製品に至るプロセスが長く、原油価格高騰の影響が波及するまでに時間がかかること、人件費割合が高いことなどの要因によりまだ顕在化していない可能性もあります。 

次に比較的大きな影響を受けている材料です。

これらの材料は、14カ月で1.4倍から1.5倍に価格が上昇しました。カーボンブラックの価格が上がっているのは、煤を採取するために燃やす油の価格が高騰しているためと思われます。

最後に最も激しく価格が上昇した材料と原油と塗料をご紹介します。

キシレンおよび石油系混合溶剤はこの14カ月で約1.8倍になりました。原油が約1.9倍ですからほぼそのままの値上がりということになります。それに比べると塗料の価格上昇は6.3%に過ぎません。

この2月の物価には、ウクライナ情勢や急激な円安の影響は反映されていないと思われます。その意味では、こうした物価はさらに上昇を続けるものと推測されます。コロナ禍による需要回復が遅れている中で、塗料の値上げは簡単ではないのでしょうが、相応の値上げは必然ではないかと塗料製造業者の商工組合事務局として考えております。

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