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かんとこうブログ

2022.03.30

ブースター接種は重症化防止に効果があったのか?

さて昨日に続きブースター接種の効果について検証してみたいと思います。しかし重症者や死亡者についてはしかし感染者のようなワクチン歴別のデータがありませんので、少し迂遠な方法をとらざるを得ません。その方法を説明しながら、今回の第6波の感染状況を、新規感染者数、入院・療養者数、重症者数、死者数の推移について観察することにします。データはNHKオンラインコロナ特設サイトからコピーさせてもらいました。

多少差はあっても大まかな山の形は似ているようですが、よくよく見ると、上段の二つに比べて下段の二つのグラフの右肩下がりの度合いが大きいようにも思えます。もう少し定量的にみるにはどうしたらよいでしょうか?

ここでそれぞれのピークの日付に注目しました。新規陽性者数(7日間の移動平均)のピークは211日、入院者・療養者数のピークは216日、重症者数のピークは226日、死者数にピークは2月28日でした。この日付は、平均的な病状経過を示しているとも考えられます。すなわち新規陽性が確認されてから5日目に入院または療養が始まり、重症化するのは感染から15日後、死亡するのは17日後が平均的な経過とも考えられるのではないか?とすれば感染者数に対して5日後の入院者・療養者数、15日後の重症者数、17日後の死者数の比率を調べ、それを3回目接種の進捗と比べてみてはと思いつきました。

実際にそのようにして作成した図表を下に示します。

左上のグラフはある日の新規感染者数に対して5日後の入院・療養者数に対する比率と3回目接種比率を示したもの、同様にして右上がある日の感染者数に対する15日後の重症者数の発生率%、下段がある日の感染者数に対する17日後の死者数の発生%です。

このグラフを見る限り、3回目ワクチン接種が入院・療養者数を減少させた、あるいは死者数を激減させたという効果はないように思います。もし、3回目接種が重症化防止に絶大な効果があるのであれば、感染者に対する5日目の入院・療養者数、15日目の重症者数、17日目の死者数が3回目接種率の増加に応じて変化するはずですが、そのようにはなっていません。

わずかに感染者に対する15日後の重症者数%は2月初旬に有意に減少しているようですが、この時点の3回目接種率は低く10%にも足りませんので、これをワクチンの効果と考えるのは無理があります。むしろ3月中旬以降、17日後の死者数割合が減少していることこそブースター接種の効果といえるかもしれません。

いずれにしてもこれだけのデータでは、定量的な判断ができるほどの信頼性にはたりません。何回も繰り返し書いていますが、政府の専門家会議には、是非ブースターワクチンの効果をしっかりと検証してもらいたいと思っています。すでに4回目接種の話が出ていますが、初期のウイルス用をもとに設計されたワクチンをいまだに打ち続けることの是非も含めてしっかりと検証し、専門家たる責任を果たしてほしいと思います。

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