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かんとこうブログ

2022.05.18

2022年1~3月期塗料会社決算 その3 国内上場会社の決算概要

一昨日の世界のTOP3、昨日の日本ペイントホールディングスに続いて今日は国内の上場会社の決算についてご紹介いたします。ちょうど国内上場会社の決算は一昨日ですべて出そろいましたのでタイミング的には予定通りにご紹介ができました。なお川上塗料については決算期が12月~11月期と異なるため割愛させていただきました。各社決算短信から抜き出した数字をまとめた表をご覧ください。  

表題に13月期と書きましたが、表中の数字は2021年度(20214月~20223月)の数字です。ここから第3四半期の数字を差し引けば第4四半期(13月)の数字を出せますが、今回はそこまで余裕がありませんでしたのでご容赦ください。各社の決算に簡単にコメントします。

関西ペイントは、連結全体としては増収増益でしたが、国内は減収減益となりました。やはり半導体をはじめとする部品不足のため主力である自動車用塗料の需要が振るわなかったことが大きく影響していると思われます。またこれまで好調だったインドも増収大幅減益となりました。

エスケー化研は、増収減益でした。塗料会社の2021年度決算としては最も一般的なパターンではないかと思われます。中国塗料は増収大幅減益でした。昨年は大幅な増益でしたが一昨年は振るわず、このところ一年おきに大幅な増益減益を繰り返しています。何か特別な事情があるのでしょうか?

大日本塗料は増収増益でした。やはり汎用主体の事業内容が幸いしていると思われます。藤倉化成は減収減益でした。ただし塗料セグメントは増収減益、コーティングセグメントは増収増益でした。他のセグメントの中で合成樹脂が大幅減収であり、会社全体の減収はこの合成樹脂の減収による影響が大と思われます。

日本特殊塗料は増収大幅増益でした。コロナによって業績が最も深刻な影響を受けた会社のひとつでしたので、ようやく本来のビジネスに戻ってきたというところでしょうか?ロックペイントも増収増益で、家庭用以外の全セグメントの需要が増加したとありました。

神東塗料は発覚した不正検査問題もあり減収の上、営業利益段階で赤字となりました。汎用主体の菊水化学工業は増収大幅増益でした。アサヒペンとアトミクスは減収減益でしたが、コロナ禍による巣ごもり需要の恩恵を享受した昨年からの減収減益はある程度やむをえないかもしれません。

イサム塗料も減収減益となりました。主力である自動車補修用の需要は、自動車におけるさまざまな安全装置の発達により交通事故が継続的に減少し続ける中では、厳しい状況なのかもしれません。

各社の売上と営業利益の前年比をグラフ化してみました。

さらに、売り上げと営業利益の前年比の各社の位置を表に整理してみました。

2021年度決算における各社のポジションが感覚的に理解されるのでないかと思います。

以上で1月~3月期(日本の場合は2021年度)の決算内容の紹介を終わりますが、原材料の逼迫や高騰はまだまだ続きそうです。為替の問題もあり、2022年度も厳しい年になることは覚悟しなければならないと思われます。

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