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かんとこうブログ

2022.06.16

AkzoNobelの防蚊塗料について

Coatings World誌が6月13日に掲題の記事を載せました。英語で言えば Anti Mosquitoとなりますが、確か日本のメーカーがこれを販売していたはずだと思いつつ、記事を読んでみました。判断は読者各位にお任せしますが、蚊に対する忌避成分を塗膜内に含み、その成分により塗面にとまった蚊を忌避させるというメカニズムですので、すでに販売されている防蚊塗料に対しての新奇性に欠ける気がします。ブラジルで販売を始めているようですが、こうした既存品に配慮してか「この地域で初めてのこの新しいコーティング」と地域限定で初めてという表現を使用しており、姑息さを感じます。

こうしたことを頭において以下の記事を読むとなかなか興味深いものがあります。Coatings World誌の記事の全訳を下に示します。(実はグーグル翻訳に手を加えただけのものですが・・)

AkzoNobel 難病との闘いを支援する防蚊塗料を上市

AkzoNobel社強力な防蚊塗料を開発

https://www.coatingsworld.com/contents/view_breaking-news/2022-06-13/akzonobel-launches-mosquito-repellent-coating-to-help-combat-disease/page_2?widget=trending 

「ブラジルの人々は、デング熱の侵襲性キャリアとの戦いに新たな味方を得ました。それは、アクゾノーベルによって開発された強力な防蚊コーティングです。

ウェルビーイングプロテクションアンチモスキートとして知られる無色のマットワニスには、ペルメトリンと呼ばれる有効成分が含まれています。ブラジル保健省の統計によると、その忌避作用は、2022年の最初の数か月間に165%と急増したブラジルのデング熱の主な原因であるネッタイシマカと戦うように特別に設計されています。デング熱を蔓延させるだけでなく、ネッタイシマカはジカウイルスやチクングニア熱を感染させる可能性もあります。

蚊が新しい透明なトップコートに着地すると、ペルメトリンはその足から吸収され、昆虫の神経系を過剰に刺激して、昆虫の(自主的な)離脱または脱落を引き起こします。ペルメトリンはよく知られている忌避剤であり、蚊帳や防護服の布地に一般的に使用されています。

「近年、家庭での健康と安全に対する懸念が大幅に高まっています」と、アクゾノーベルのラテンアメリカ建築塗料ディレクターであるダニエルカンポスは説明します。 「この地域で初めてのこの新しいコーティングは、塗装された壁面に塗装することができる透明艶消しワニスです。それは人々にとって素晴らしい例です。地球、塗料、そして実際の行動が結実し、製品開発への先駆的なアプローチが、人々の健康と幸福を含め、真の永続的な(好ましい)変化を生み出すのにどのように役立つかを示しています。」

カンポスは続けます。「公衆衛生は世界中の国々の主要な問題です。ブラジルでは、デング熱が特に問題です。ネッタイシマカに対して昼夜区別なく、最長2年間継続的に保護することが証明されている画期的な製品を提供することで、人々が家族の健康な生活を維持していくことを支援したいと考えています。」

ウェルビーイングプロテクションアンチモスキートの有効性は、ブラジルの健康分析研究所のネットワークによって認定された独立の外部研究所でテストされました。すべてのテストは、実寸大の家の環境で塗装された壁と天井で行われ、接触後に蚊が部屋内部から逃避し、有効成分がワニスマトリックスに保持されていることを証明することができました。

デング熱は、感染した蚊に刺されて人間に感染するウイルス感染症です。世界保健機関によると、デング熱の世界的な発生率は劇的に増加しており、世界の人口の約半分が危険にさらされています。

今年の5月14日までに、ブラジルでデング熱の感染の可能性が855,910件報告され、住民10万人あたり401.2人が発生しました。デング熱、ジカ熱、チクングニア熱には特定の治療法がないという事実によって、公衆衛生上の問題として深刻視されています。したがって、予防は最善の戦略と見なされています。

現在ブラジルでのみ利用可能ですが、他の国や地域でも新製品を利用できるようにする計画があります。」

以上が記事の全文です。技術的には検証試験を実寸大の家で行っている点が注目されます。壁や天井などの家内部の表面積と空間体積の比率を一定にしたミニチュアで試験しているケースもありますが、実際には拡散速度という要因が入るため表面積/体積比率が同じだからと言って、大きさが異なれば結果が異なることが考えられます。その点このAkzoNobel社はちゃんと科学的に検証していると言えるでしょう。

今後AlzoNobel社がどのようにマーケティングしていくのか、注目したいと思います。

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