お電話でのお問合せはこちら
TEL:03-3443-4011

かんとこうブログ

2022.08.16

病床使用率は1週間でどれだけ増加したのか?

   厚生労働省が発表する全国の病床使用率は、毎週水曜日の時点のデータが金曜日の夕方に発表されます。最新のデータはお盆休みのせいもあって、8月10日現在の使用率が昨日の夕方に発表されました。通常より3日間発表が遅くなりました。前回の倣い8月3日から8月10日までの1週間における病床使用率の推移を見てみたいと思います。


8月3日から8月10日までの1週間で、療養者数は12万6千人、入院者は3120人、秒使用率は5.8%、重症者は198人、重症床使用率は3.6%増えました。あとでご紹介しますが、入院者数も病床使用率も過去の第5波、第6波のピーク時を超えました。

次に各都道府県におけるこの1週間の病床使用率の変化を示します。

ほとんどの都道府県で増加していますが、顕著に増加しているのは、秋田県、山形県、茨城県、神奈川県、石川県、山梨県、長野県、愛知県、三重県、滋賀県、広島県、香川県あたりです。神奈川県の病床利用率は98.3%に達しました。

一方で各都道府県の重症者病床使用率は前の週から以下のようになりました。

明らかに増加したというのは思ったほど多くなく、秋田県、福井県、愛知県、奈良県、岡山県、広島県熊本県などでした。後述しますが、重症者入院数や病床使用率については、過去の第5波、第6波のピーク時とほぼ同水準に到達していますが、まだ超えるには至っていません。下が全国で集計した病床使用率の数値比較です。

療養者数は第5波のピーク時の10倍近く、第6波のピーク時の2.3倍になりました。入院者、病床使用率はそれぞれ過去のピーク時を超えました。重症者数については過去のピーク時に並ぶレベルまで来ており、次週には超えることは必定だと思われます。

一方で昨日沖縄県の病床使用率が100%を超えたと報じられました。お盆休みもあり沖縄を訪れる帰省客や観光客の増加もあるのでしょうが、大変な事態になっています、今日ご紹介した数字はすでに6日前の数字になりますので、8月10日時点で70%台であった病床使用率が1週間もたたないうちに100%を超えたことになります。このことは二つの懸念を想起させます。ひとつはこうした沖縄の急増に対しての観光客の影響が大きかったのではないか、もう一つは、病床使用率の発表が通常より3日間遅れたことで政府などの対策・支援に影響がないのか、という懸念です。

8月10日時点のデータでも以降の医療の逼迫はより厳しくなると推定されますが、沖縄の窮状を見るにつけ、もうすでにこうした医療逼迫が全国で起きているのではないかとも懸念されます。まずは、厚労省には迅速でタイムリーなデータ提供を心がけてもらいたいと思います。しばらくWatchを続けます。

コメント

コメントフォーム

To top