お電話でのお問合せはこちら
TEL:03-3443-4011

かんとこうブログ

2022.09.06

今年の8月の電気使用量・・実は平年並み?

 今年は電力需給がひっ迫し、節電要請が各所に出されるといった事態になりましたが、果たして今年の8月の電気使用量は例年と比べてどうだったのでしょうか?また節電の効果はあったのでしょうか?東京電力を対象に限られたデータの中ではありますが、検証してみたいと思います。

8月に全体でどの程度の電気使用量であったかを調べたいのですが、これはデータが見つかりませんでした。一方で最大使用電力は東京電力の電気予報というサイトで過去も含め毎日のデータが公開されていますので、これを使って2019年~2022年の8月の最大電気使用量のグラフを書いてみました。

左が2019年~2022年の8月における毎日の最大使用量です。赤い線が2022年ですが、当初8月1日から3日に6000万KWに迫る勢いでしたが、そのあとは8月9日に5500万KWを超えただけで中旬から下旬にかけては例年なみかむしろ低めに推移したようです。

右のグラフは最大電力使用時の供給能力ですが、旧式火力の動員や他電力会社からの融通も含め予備供給能力が3%を切る事態にはいたらなかったようです。

こうした電力需要における最大の変動要因は言うまでもなく、天候でありなかんずく気温であると思われます。そこで2019年~2022年の8月の日平均気温、日別最高気温、日別最低気温についてグラフを書いてみました。本来東京電力管内の平均気温のデータでも使うべきかとも思いますが、ここでは東京の東京地点の気温のデータで代表させることにします。データは気象庁の過去の天気のサイトから引用しました。


これら3つのグラフはいずれも似通っています。相似形とまでは言いませんが、形がよくにています。それだけではなく、先ほどのピーク時使用電力にも似ているように思われます。ここで赤線で示した2022年の気温の推移についてみると8月10日までは、例年よりも高い日がありましたが、それ以降は例年なみかやや低めであったと読み取れます。先ほどのピーク時最大電力量とも一致した傾向です。

さらにそれぞれのデータの月平均を計算して比較してみました。


左は毎日のピーク時使用電力とその時の供給能力の平均値、右は毎日の平均気温、最高気温、最低気温の平均値です。大まかに言えば、平均ピーク時使用電力量と各種気温の平均値はよい相関関係にあると言えます。すなわち、今年の8月は、直近4年の中では2021年に次いで気温が低く、一方で平均のピーク時使用電力もこの4年間では最も少なかったことになります。昨年と比べると、気温は若干高かったものの、ピーク時の電力消費は昨年以下に抑制された、とも言えます。節電の効果はいくらか認められるということでしょうか?

簡単に入手できるデータでの検証はこんなところです。統計的に結論づけるには不十分であることは否定できませんが、あえてそれでも検証しようと思ったのは、国民に節電要請をしたならば、その結果がどうであったかを検証して報告すべきなのではないかと思うからです。

コメント

コメントフォーム

To top