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かんとこうブログ

2022.10.04

日銀短観・・中小企業の景況感は?

昨日日銀短観が発表になりました。この日銀短観が発表されるといつもマスコミがその景況感を報じますが、発表されるにはいつも大企業のデータであり、中小企業のデータが報じられることは少ないのではと認識しています。過去に何回も書いていますが、大企業と中小企業では、景況感に大きな差があり、常に大企業の景況感(DI値)は中小企業のそれの上位にあります。論より証拠、1983年から2022年までの大企業と中小企業のDI値の推移を、製造業/非製造業で示します。

https://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/cgi-bin/famecgi2?cgi=$graphwnd 

大企業と中小企業のDI値の差は、好況期には20前後またはそれ以上にもなることがわかります。不況期にはその差が縮まるとは言え逆転することはありません。現時点が好況期か不況期かのどちらかと言えば、不況期から好況期への途中というべきではないかと思います。

今回の日銀短観の発表をうけてマスコミがつけた見出しは、「製造業では悪化、非製造業では改善」という論調が多いと思います。原材料の高騰をうけ価格転嫁が進まない中状況を反映しているとされます。中小企業でも製造業/非製造業の動向は大企業と同じであり、DI値でこの1年あまり製造業の方が上にあったのが今回で逆転しました。

中小企業では、非製造業でもようやく水面に届くかどうかというところで製造業はなかなか水面上に顔をだすことができずにいます。 (右端赤丸内)

以上が全体の傾向ですが、塗料と関連のありそうな業種別のDI推移について、これまでと同様リーマンショック時と比較して示します。コロナ禍のグラフの右端は、2022年12月の予想値なので色を変えてあります。それでは製造業から示します。

2022年9月(今回発表)の時点で水面上に顔を出しているのは、非鉄金属、鉄鋼、化学、汎用機械、金属製品、電気機械です。自動車はいまだに大きく落ち込んでいます。続いて非製造業です。リーマンショック時との比較においては、全体にリーマンショック時よりもDI値は上で推移していますが、造船・重機等はリーマンショック時よりも下で推移をしています。ここ1年ほどは自動車もリーマンショック時よりも下になり、ここ半年ほどは石油石炭製品が加わりました。

非製造業は二極化しており、不動産、建設、通信が好況、小売、運輸、宿泊・飲食が不況と分かれています。ただし、2022年12月の予想では、これまで好調だった建設、不動産が下を向きそうなのが気になります。リーマンショック時との比較では、ずっと飲食・宿泊が下位にありましたが、小売とともにここ半年ほどは上回ってきており改善傾向にあります。

大企業と中小企業との差で言えば、製造業は縮小傾向、非製造業は拡大傾向となるのでしょうか?

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