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かんとこうブログ

2023.03.28

消費者物価指数の推移にみる費目ごとの動向 その1

3月24日に総務省から2023年2月度の消費者物価指数が発表になりました。相変わらずの物価高ではありますが。2001年以降の消費者物価指数を見ると費目ごとに特徴のある推移を見せており、結構興味深く見ておりました。今日と明日はこの消費者物価指数動向についてご紹介します。データは下記のサイトです。エクセルデータからグラフ化してより可視化できるようにしています。

2001年以降としたのは、一度にグラフ化できるデータの数が255個までなので、最長に遡れるのが2001年だったという理由によるものです。基準はすべて2020年になっています。この消費者物価指数は、総合指数は10000のウエイトから成り立っており、家計支出に応じて食料品はそのうちの2636ウエイト、家賃は1833というように各費目に振り分けられています。

まず総合指数の推移とその前年同月比増減%の推移からご覧ください。

総合指数は、実は2013年ころまでジワジワと下がってきていましたが、それ以降は上昇をしてきていました。ここへきて急激に上昇速度を速めており、2023年1月まで連続で上昇していましたが2月は久しぶりに下降に転じました。その様子は下の前年同月比にも現れています。2月の総合指数は104.0であり2020年から見て4%上昇していることを示していますが、2001年以降の最も低かった2013年頃の94と比べると10%以上上昇していることになります。

ここまでは新聞等でも報じられている内容かと思います。以下に各費目ごとの推移を見ていきたいと思います。

左のグラフは総合指数の推移で、先ほどと同じグラフの幅を1/2に縮めたものです。この総合指数を基準にして各費目の推移を見ていきたいと思います。右が食料品全体で全家計支出の3割弱を占めています。現在の指数は110.0であり総合指数の倍以上の上昇であり、2001年から2005年の水準と比べると30%ほどの上昇となります。最も生活に必要な食糧品の価格上昇が大きいことは重要なポイントです。それでは食料品の中ではどのようなものの値上がりが大きいのでしょうか?

2月の指数値は、魚介類123.7、肉類110.5、乳卵類111.4、穀類108.1、野菜海藻類104.5、菓子類109.2であり、魚介類の高騰が目立ちますが。2001年からの推移をグラフにしてみるとさらに魚介類の突出ぶりが目立ちます。2005年頃から比べると魚介類は1.7倍近くにもなっています。これらの中では最も安定しているのは穀類でしたが。それでもこの1年の上昇ぶりはかなりのものがありますので今後については予断を許しません。食料品は全般にこのところの上がり方が大きく、生活必需品だけに心配です。

もうひとつ心配されているのは電気代,、ガス代といった光熱費です。下図に消費者物価指数の推移を示します。

2月の指数は電気代が106.4、ガス代が124.2でした。しかし1月の指数は電気代が131.0、ガス代が132.8ととんでもなく高い値になっており、2月の数値が政府による激変緩和措置としての電気・ガス料金への補助金のために下がったものと推定されます。電気代やガス代に大きな影響を及ぼすと思われる為替(FXTOPより引用)と原油価格(世界経済のネタ帳より引用)の推移を示します。為替も原油価格もひところのピークを過ぎていますので、電気代もガス代も落ち着いて欲しいのですが、電力各社が4月からの大幅値上を申請しており、これが認可されればまず今よりも下がることはあり得ないと思われます。

とここまで食料品、光熱費と言った値上がりの大きなものをご紹介してきました。明日は今日ご紹介したものに比べると値上がりがすくない、あるいは逆に値下がりしている(というか支出が減っている)ものをご紹介したいと思います。

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