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かんとこうブログ

2023.08.28

自動車販売はコロナから回復したのか?

毎月各国の自動車販売台数をチェックしています。コロナ以降さまざまな理由で自動車の生産/販売が停滞しているのではないかと気になるからです。こうした情報にチェックにとても便利なサイト(下記接続先)があり、各国の生産台数、販売台数に関する詳細な情報を知ることはできます。興味のある方は覗いてみていただくとよいと思います。有料会員になれば各国のメーカーごとはもちろん、モデル別の生産販売台数の情報も手にいれることができます。今日ご紹介するのはここの無料で公開されているサイトの情報ですが、なかなか貴重な情報であり感謝しています。

各国のモデル別最新情報 (販売) - 自動車産業ポータル マークラインズ (marklines.com)

それでは早速コロナ以降3年半の各国の販売台数の推移をご紹介します。今日ご紹介するデータの2020年から2022年までは実績ですが、2023年のデータは2023年1-6月の販売台数を2倍した数字で予測値となっています。単位は万台です。

これら9か国それぞれ販売台数のレベルは違いますが、グラフの形が相似形である国がいくつかあります。アメリカ、日本、イギリス、フランス、カナダです。細かい部分は別にして2022年が最も販売台数が少なく2023年は回復を見せている点で共通しています。これらの国では2021年、2022年と半導体を中心とした部品不足に影響による生産の停滞がそのまま販売の停滞につながっていたことものと考えています。インドなどは2020年から順調に販売台数が増加しているように見えていますし、中国も特段の落ち込みが感じられない推移になっていますが、このあとでご紹介する月別推移でみると、中国についてはコロナ禍による都市封鎖でかなり影響が出ていたようです。

続く10か国の中で目を引くのはロシアです。ウクライナ侵攻直後から販売が大きく低迷しています。やはり社会的に大きな影響がでていることがわかります。上でみた相似形という意味では、この10か国の中ではイタリア、韓国、スペイン、ポーランド、ベルギーがそれに該当します。こうした相似形になる国は欧州など西側諸国で自動車の生産国というくくりになるでしょうか?メキシコ、オーストラリア、アルゼンチンは比較的コロナの影響を受けていないように見えます。

この6か国では、わずかにチェコが相似形に見えます。注目は台湾でコロナの影響をほぼ感じません。また南アフリカ、インドネシア、ポルトガルも落ち込みらしい落ち込みなしに推移しています。自動車の販売台数は、供給台数と社会情勢の両方から影響を受けると考えられますが、欧米など西側社会では車の供給面での影響が大きかったと考えています。

次に月別の販売台数の推移を示します。

中国(左図)はところどころ大きな落ち込みがあり、これはコロナによる社会情勢の影響と思われます。アメリカは大きな増減がありません。中図での注目は日本の各年3月です。毎年3月、つまり決算月には販売台数が跳ね上がるという状況がコロナ禍でも展開されていました。ドイツやインドにはそうした特殊な月は存在しません。

一方右図においてはイギリスが日本と似たような特殊な需要を示しています。イギリスでは毎年3月と9月にナンバープレートの年数を示す記号が更新されるそうで、3月9月には他の月に倍する登録がなされます。同じ年に登録してもより新しく見られるからです。この結果、その前後の2月、4月、8月、10月の販売台数が少なくなり出入りの激しいグラフになっています。フランスやブラジルにはそうしたことはありません。

これら9か国には、日本やイギリスのような特別な月は存在しないようですが、やはりここでも中図のロシアの低迷ぶりは目を引きます。イタリアやスペインはところどころ落ち込みがありますがこれは供給不足によるものと推定しています。

これら8か国においてもアルゼンチン、インドネシアなどかなり大きな落ち込みがありますがどちらかと言えば、社会情勢が主要因なのではないかと考えています。

肝心の2023年はまだ半分しか経過していませんのでまだ楽観はできませんが、今年こそは2022年までの低迷を脱し回復を宣言できる年になりそうに思います。

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