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かんとこうブログ

2023.11.28

円覚寺の紅葉について

先週の木曜日、11月23日の休日に北鎌倉の円覚寺に行ってきました。鎌倉の中でも紅葉の名所として知られており、以前にもこの時期に行った記憶があったのですが、家に帰ってから写真を見返すと2年前の11月23日にも訪れており、ほぼ同じ場所で写真を撮っていたことがわかりました。今年はいつまでも夏のような日が続き、紅葉が遅れていると言われていましたが、2年前の同じ日に撮影した写真と比べると何かわかるかもしれないと思い、比べてみました。以下6枚ずつの写真を見比べてみてください。どちらがきれいに紅葉しているでしょうか?左が2023年、右が2021年です。写真の右下は撮影時間で、日付のあとの6桁の数字1322449は13時24分49秒に撮影したことを意味しています。

いかがでしょうか?完全に同じ場所、同じアングルではないので比較するのも容易ではないかもしれませんが、どちらかが圧倒的にきれいということでもないように思います。写真を撮る側から言わせていただくと日光の当たり方で随分と赤い色は変わると感じており、特に葉を通り抜けてきた赤は一段と鮮やかであるように思います。先週は時々薄雲がかかっていたので、特に光の影響を強く感じました。撮影者の判断としては今年と2年前ではそう大きな差ではなく日光の強さ当たり方による変化の範囲内と思っています。

一方で、科学的には紅葉の美しさを決定づける要因として以下のことが言われています。

ここで気象的には、最低気温が8℃および5℃が鍵となる温度であることがわかりました。また湿度も適度であることも条件となることもわかりましたので、今年と2年前のデータを調べてみました。鎌倉には気象庁の観測点がなく、最寄りの辻堂のデータで代用しました。また湿度の代わりに降水量のデータを示します。データの引用元はいずれも気象庁の「過去の気象データ検索」です。

2021年については、最低気温8℃を最初に下回ったのは10月の23日でしたが、一日だけでその後最低気温は急上昇し、本格的に8℃を下回るようになったのは11月11日以降でした。2023年の場合は、ずっと暖かい日が続き、最低気温が8℃を下回ったのはこれも11月11日でした。2021年も2023年もその後は8℃前後の日が続いています。従って最低気温の条件は今年も2年前もほぼ同じであると言えます。湿度については降水量で代用しました。全体として今年の方が降水量が低く、特に11月はかなり少なくなっています。晴れた日には湿度が下がりますので、湿度的には2年前の方が条件が良かったことになります。ただし、紅葉のメカニズムから考えると気温の要因の方がより影響が大きいものと推定されます。

気象面から考えても、今年と2年前とではそれほど大きな差はないように思います。従って写真を見比べてもさほど明らかな差異がなかったことも当然なのかもしれません。ただし、これはあくまで辻堂周辺の気象データであり、全国的には成立しない話であることはお断りしておきます。

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