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かんとこうブログ

2026.04.24

バイオナフサは石油由来ナフサの代替となるのか?

昨日、一昨日とこの先石油由来製品、とりわけ溶剤は手に入らなくなるのではないかという趣旨で書いていました。そうした中で気になっていたのバイオナフサ、正確にはグリーンナフサあるいはリニューアブルバフサの存在です。基本的に現存するナフサプラントがそのまま使用でき同様なフローで同様な製品ができるのであれば、石油由来ナフサがなくなっても溶剤の供給が継続される可能性があるかもしれないからです。バイオナフサ、グリーンナフサについて調べてみましたのご紹介します。

三井化学のサイトでは、バイオマスナフサについて「バイオマスナフサとは文字どおり、再生可能なバイオマス(植物など生物由来の有機性資源)から生成された石油由来ナフサ相当の炭化水素(炭素原子と水素原子からなる化合物)です」と説明しています。三井化学では後述するようにすでに大阪工場で、通常のナフサプラントにバイオマスナフサを石油系ナフサに混ぜて使用しており、バイオマスナフサを使用するメリットについては 生み出されるさまざまな化学品を一斉にバイオマス化することができ、その誘導品(バイオマス化学品・バイオマスプラスチック)のラインナップを大幅に拡大できる ②品質は従来品と同等であり、PLA(ポリ乳酸)などに比べ製品開発のプロセスを大幅に削減することができる ③従来の設備がそのまま使用できるため社会インフラコストが掛からないことを挙げています。(下図参照)

いいことづくめのようですが、現在ではまだ部分的置き換えですので、将来石油由来ナフサが減少した時の参考にはならないかもしれません。

住友化学では、「リニューアブルナフサ」としてもう少し幅広く捉えて説明しています。上の三井化学では、植物由来のナフサのみを取り上げていましたが「リニューアブルナフサ」となるともう少し対象範囲が広がり、植物由来のバイオナフサに加え、廃食油由来などのバイオサーキュラーナフサ、さらに廃プラスチックから再生されるサーキュラーナフサの3種類があると説明されています。(下図左側参照)

そして三井化学と同様に、従来の石油精製設備内で石油と水素化した(後述)植物油や廃プラスチックから熱分解油を同時に処理する手法も紹介されています。こうして石油に混ぜて処理すれば、広範囲の製品を部分的にせよバイオ化できるわけです。

住友化学のサイトでは、それぞれのリニューアブルナフサの化学的な処理方法も説明されています。HEFAでは、水素添加により脂肪酸とグリセリンのエステルである油のグリセリン部分をプロパンに変換し、脂肪酸部分を炭化水素と二酸化炭素、水に分解し、さらに水素化分解でナフサ成分を作ります。FT法では、一酸化炭素と水素から炭化水素を合成する技術であり、この過程でナフサも生成されます。ATJ法では合成したエタノールから脱水によりナフサ中で最も重要なエチレンを生成させるもものです。これらに比べるとプラスチックの油化は、かなり手のかかる工程になっており、コストがかかりそうな感じがします。(下図参照)

とここまで見て来ましたが、確かにバイオマスナフサ、リニューアブルナフサは実用化できている技術には違いないものの、はたして、塗料業界が原料として使用している有機溶剤、とりわけエチレン、プロピレンに関係しないトルエンキシレンがバイオナフサ分解で生成するのかがよくわかりませんでした。

ということで最後はバイオナフサの実用化実績を調べて見ました。

実用化、あるいは実証プラントにおいて芳香族炭化水素由来のものと思われるのを赤字にしてみました。フェノール、スチレン、パラキシレンと実績がありました、が、これらはいずれも樹脂原料であり、有機溶剤ではありません。果たして、総じて石油ナフサより高価なバイオナフサを使って、値段の安い溶剤を作ってくれるのかどうかはわかりませんでした。今でもキシレンの最大の用途はPETボトルですので、バイオナフサの時代になってもPET原料であるパラキシレンは生産されるでしょう。しかし溶剤のキシレンは作ってもらえるのについては、確信はもてません。

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