かんとこうブログ
2026.07.30
洋上風力発電について調べたこと その1
最近よく目にするテレビのCMに戸田建設の洋上風力発電があります。日本でもサステナブルな発電のひとつとして風力発電が一定の割合を占めるようになったとの認識がありますが、洋上風力発電がどのような状況であるかはわかりませんでしたのでいろいろと調べてみました。今日と明日は、洋上風力発電、特に浮体式について調べたことをご紹介したいと思います。
まずは戸田建設のホームぺージを見ました。その中で以下の資料(下記URL)が浮体式洋上風力発電について全体的に説明しているようでしたので、この資料から説明をはじめます。この資料は戸田建設を含む6社で構成する浮体式洋上⾵⼒発電推進懇談会が作成したものであり、一言で要約すると「浮体式洋上風発電は、大きなポテンシャルと将来性があり、2050年のカーボンニュートラル達成には欠かすことができないものである」ということになります。
https://www.toda.co.jp/business/ecology/special/pdf/fowvs_j.pdf

最初は浮体式の種類からご紹介します。

戸田建設のCMで映し出される浮体式の発電装置は、これら4つの種類(セミサブ、バージ、スパー、TLP)のうちのスパーです。スパーとTLPはともに海底からの接続ロープから接続されていますが、張り方が異なっており、スパーは緩やかに余裕をもって張られているのに対し、TLPでは強い張力で張られて固定化されています。
戸田建設の発電装置は、円筒が鋼鉄ではなくコンクリート製であり、上物の大きな風車を設置でき、かつコストも低減できるとしています。スパーのメリットは下部につけられた重りによって重心が低くなり、強風や波浪などで装置が傾いても「起き上がりこぼし」のように自力で復元できることです。
急峻な地形の多い日本の近海では、着床式の風力発電装置を設置できる場所に限りがあり、2050年のカーボンニュートラルを進めていくに際し、浮体式に大きな期待が寄せられています。(下図参照)

洋上の風は沖合ほど安定して強く吹いています。推進100~300メートル、離岸距離30Km以内に限定した試算値でも425GWという大きなポテンシャルがあり、さらに了解内、利害調整困難海域を除いたより実際的な試算でも着床式23GW、浮体式90GWという発電能力が期待できるとされています。(下図参照)

この資料はさらに、浮体式洋上発電がもたらすであろう国内産業発展への貢献や懸念される発電コストの低減可能性、人材育成や地域、漁業との共生など多角的な視点からまとめられています。これを読むと、2050年のカーボンニュートラルを見据えれば、この洋上風力発電がいかに重要であり、その建設目標は必達であると理解されます。
しかし、現状がどうであるのかも気になるところでしたので、日本と世界の洋上風力発電の現況を調べてみました。

まず、日本の電力全体に対する風力発電の割合は2023年で1.1%に過ぎません。再生可能エネルギー全体では22%ですので、再エネの中でも5%に過ぎません。洋上風力は253.4MWで風力全体の3.9%になります。さらに浮体式の割合は洋上風力の中の2.0%です。まだまだどころかとんでもなく小さなスケールでしか行われていないことがわかります。これを2040年には30GW~45GWにしようというのですから、現在の洋上風力(着床+浮体)の112倍~178倍にしようという計算になります。しかも浮体式の割合は現在よりは増えるというのですから、浮体式に限って言えば、500倍、1000倍くらいの倍率に増やそうということになりそうです。
1日目はここで終ります。洋上風力発電、とりわけ浮体式は2050年にむけて大いに発展が期待される発電方式であるが、現状はまだまだ緒についたばかりであることがわかりました。