かんとこうブログ
2026.08.12
今日はおやすみのつもりでしたが、台風16号の茨城県初上陸を見て気が変わりました
台風16号は極めて珍しい経路をへて茨城県に上陸しました。観測史上初と聞いて、上陸の多い県はどこかなどと調べているといろいろと面白いことがわかりしましたので、ご紹介したくなりました。本当は休むつもりでしたが気が変わってご紹介します。
上陸の前に、まず発生件数について過去の記録を調べてみました。出展は気象庁のホームページです。台風の観測は1951年から継続的に行われているそうで、今年が76年目にあたります。つまり75年分のデータがあります。

発生件数の推移としては、ほんのわずかですが減少傾向です。年間平均としては26.0件となります。月別発生数としては8月が最多で、9月、7月、10月の順になります。7月と8月の2カ月間で全体の40.2%、7月を加えると3カ月で55.0%と過半数が7~9月の3カ月で発生しています。
次に接近数を見て見ましょう。接近とは「台風の中心がそれぞれの地域のいずれかの気象官署等から300 km以内に入った場合」を意味します。

接近した台風の数は、年間平均は11.5回ですので発生した台風のうち44.2%が接近したことになりますので、発生した台風の半分近くが日本に接近していることがわかります。季節的発生件数に比べて夏の割合が高くなり、8月と9月で55.1%と過半数を超え、さらに7月を加えるとこの3カ月で73.8%と3/4近くになります。
さて注目の上陸数です。

上陸した台風の件数は1951年以降今日までで220件でした。年間平均で2.91件となります。季節的には8月と9月の割合がさらに高くなり67.8%と7割近くになります。これに7月を加えるとこの3カ月で84.6%となります。この75年余の中で1件も上陸しなかったケースが5回あります。最多上陸回数は2004年の10件です。
さてお待ちかねの都道府県別上陸数ですが、実は気象庁の「上陸」の定義は、「台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に(最初に)達した場合」と定義されていますので、それ以外例えば、沖縄に上陸しても「上陸」ではなく「通過」となってしまいます。都道府県別の上陸回数は以下のようになっています。
鹿児島、高知、和歌山、静岡といった日本の南方からみると大きく広がっている県が多くならんでいますが、実はかつて上陸が記録された都道府県は全体の約半数に過ぎません。海岸線を持たない県、あるいは日本海側の県、瀬戸内海に面した県などは、上陸の機会が全くないか少ないであろうことは想像できます。

台風が最も頻繁に襲来するはずの沖縄がこの中に入っていないのでは、「上陸」の定義から除外されているためにほかなりません。そこで接近について、「奄美、沖縄」と「それ以外(本土)」というデータがありましたので見てもらいたいと思います。


なんと「接近」については、「奄美・沖縄」の件数が「それ以外」を上回っているのです。従ってここから類推すれば、もし沖縄の主要な島への上陸をカウントすれば、上陸回数は上述の件数の倍以上になるのではないかと思われます。また、「奄美・沖縄」と「それ以外」の接近回数を足すと13.16回となり、上述の全体での接近回数11.5回を上回りますが、これは両方でカウントされている台風があるためと思われます。
月別にみた場合は概ね似たような分布ですが、7月の割合が「奄美・沖縄」では高くなっています。比較的早い時期の台風は日本の南側を進むことが多いためと思われます。
最後に都道府県別の再上陸についてのデータを下記のサイトから引用させてもらい、ご紹介したいと思います。
【偏差値つき】台風の上陸数が多い都道府県・市町村ランキング|気象庁75年データで独自集計 | 気象予報士のぶやんの学習帳
このデータは気象庁にはありませんでしたが、とても興味深い内容です。さきほどの上陸数は全くことなる顔ぶれが並んでいます。

再上陸とは、上陸した台風が一旦海上に出て、再び日本の海岸線に到達した場合を意味します。秋田県、新潟県などは一旦日本海にぬけた台風が再び戻ってきた場合、兵庫県、岡山県、広島県は四国に上陸した台風がそのまま北上し、瀬戸内海から上陸してきた場合、山口県、愛媛県などは九州を通過してきた台風の再上陸など、いろいろなパターンが考えられます。先ほどの上陸件数が220件でしたので、そのうち7割が再上陸していることになります。極めて興味深いことでした。
また新しい台風が台風16号と似たようなルートを辿り襲来するようです。被害がでないことを祈るばかりです。