お電話でのお問合せはこちら
TEL:03-3443-4011

  • 小
  • 中
  • 大

かんとこうブログ

2026.10.06

水害は温暖化で激甚化しているのか?・・水害統計の記録を調べてみました

今年は千葉豪雨をはじめ、先日の台風25号などすいぶんと水害に見舞われた印象があります。そしてその背景には、温暖化の影響があることはもはや疑う余地のないことに思えます。そこで水害の被害状況の推移を実際の統計数値で調べてみることにしました。国土交通省の「水害統計」(下記URL)からデータを引用しました。

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00600590&result_page=1

    

非常に多くのデータが収録されているのですが、その中の一つに「明治以降の水害記録」というものがあり、被害金額(平成27年度の時価に換算)と死亡者、行方不明者、負傷者のデータがありましたので、まずこの統計数値からご紹介します。

被害金額は、平成27年(2015年)の金額に換算されているとありましたが、まず年ごとに大きく異なっていることがわかります。一桁大きな金額の年が頻出しています。被害額が1兆円を超える年については、主な水害名を付けておきました。これによると最大は昭和28年の西日本水害で九州を中心に家屋全壊3,441棟、半壊29,588棟、床上浸水200,298棟という大きな被害が記録されています。2番目は令和元年の台風19号、21号による水害、3番目は昭和34年の伊勢湾台風でした。一方。行方不明を含む死傷者数では、伊勢湾台風が圧倒的トップとなっています。被害額はともかくとして、死傷者数は近年では昔に比べると明らかに減少しており、詳細な気象情報が提供されるようになったこと、治水対策が整備されてきたことなどが死傷者数減少に寄与していると考えられます。

詳細な水害資料については、1993年(平成5年)から提供されているのですが、全国の一般資産、公共土木工事、公益事業の金額は2001年以降令和5年までしかわかりませんでした。速報値では令和6年が最新でしたので、昨年や今年のデータについてはわかりません。市町村⇒都道府県⇒全国という順番で集計していくようなので、大変な時間を要するようです。

縦軸のスケールを合わせて描いていますので、金額の規模が直観的に把握できると思いますが、一般の資産被害(農作物含む)と公共土木工事は大きな水害がない場合はそう変わらない大きさですが、大きな水害が起きると一般資産被害が爆上がりしますので、総合計の数字は一般資産の動きに連動して動きます。

さらに細かく分けて見ても同様な傾向です。一般資産は一般資産+営業停止金額と農作物に分類されていますが、いずれも大きな水害では一気に増加します。一方公共土木工事の大半を占める河川と道路は、一般資産ほど変動しません。

被害額についてのグラフでは、やはり年による差が大きすぎて全体の傾向を見極めるのが簡単ではありませんが、一次近似式(赤い点線)でみても、突出して多い年以外のベースラインでみてもやはり増加傾向にあると思われます。

次に被災家屋数について一覧表とグラフを示します。

床下浸水およぼ床上浸水棟数では、こうして眺めてみても、一次近似線の傾きを見ても、増加傾向にあるという結論にはなりません。ただし、半壊ぉよび全壊・流失の件数では、増加傾向にあるように見えますし、一次近似線の傾きもプラスになりました。

最後被害面積です。これは農地と宅地その他に分けて集計されていますが、農地も宅地その他も一次近似式では増加傾向になりました。ただしR2乗値があまりにも低いのでこうした近似自体に意味がないと言われればそれまでです。

以上見てきたように、水害の統計数値はあまりにも年ごとのデータの変動が大きいため、なかなか気候温暖化によって激甚化していることを証明するのは難しいようです。そうなると昨年、今年の統計数値が待たれるわけですが、今年の数値については、速報が再来年、詳細がその翌年となります。現在までの千葉豪雨に被害状況としては判明している数字としては、全壊12棟、半壊2,183棟、床上浸水1,056棟、床下浸水2,736棟、という程度で、とても金額や面積まではわからないのが実情です。

しかしながら、大きな水害の発生により被害金額が一挙に大きくなることについては見てきた通りです。究極的にはこうした水害から身を守るには、居住地の条件を厳しく選別する必要まで出てくるのでないかと思われます。

コメント

コメントフォーム

ブログ内検索

カレンダー

«10月»
日 月 火 水 木 金 土
    1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

フィード

To top