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かんとこうブログ

2020.04.30

新型コロナ感染症からの回復率と東南アジアの感染状況

 

連日の報道で、「感染者数」は必ず報告されていますが、「回復者数」はあまり報道される機会がありません。しかし、この「回復者数」もこの新型コロナウイルス感染症の感染実態を知るうえでは、とても重要だと思っています。今日は、少しデータが古くなりましたが、4月26日現在の世界各国の「回復者数(「回復率」)とそれを集計する時点で気が付いた東南アジアの感染状況について書きます。

 報道で紹介されている「感染者数」とは「累計感染者数」と「その当日の新たな感染者数」ですが、その「累計感染者数」から「死亡者」と「回復者」を差し引いた数、いわば「現時点での有症状者数」が医療の収容能力を議論する上では重要ではないかと考えています。事実、世界各国の「回復者数」、「回復率(累計感染者のうちすでに回復した人の割合)」は驚くほど国によって差があります。下の図は、世界各国のうち、「累計感染者数」が1万人を超える国の「回復率」を表したものです。


 感染症の発信地である中国、素早く封じ込めに成功した韓国の「回復率」が高いのは予測した通りでしたが、ドイツ、スイス、オーストリアのヨーロッパ勢も「回復率が」70%を超え、収束が近いことを窺わせます。同じヨーロッパでも、フランス、イタリア、スペインの地中海勢は、「回復率」40-50%でありまだ収束には少し時間がかかりそうな感じです。一方で、ブラジル、アルゼンチン、チリの南米勢も「回復率」が40-50%で、こちらは意外に高い感じを受けます。イギリス、ドイツは著しく低く、ひょっとすると「回復者」の定義が異なっている可能性もあります。トランプ大統領のアメリカは、「回復率」が10%程度であり、まだまだ収束は遠いと思われます。共和党の知事が治める州の中には、外出禁止令も弱い州もあり、経済活動が再開されれば、感染拡大の危険が懸念されます。

 こうして各国の「回復率」のデータを見ていったのですが、ふと東南アジア各国の感染状況が予想とは異なる様相を示していることに気が付きました。下に東南アジア各国の感染状況を示します。


東南アジア各国における新型コロナウイルス感染症の感染状況

意外なことに、東南アジアの雄、シンガポールの感染者が多く、他の国の感染者が少ないのです。シンガポールは、ハイテクと強大な中央集権を使い初期の封じ込めに成功したのですが、その後、劣悪な居住環境に住む外国人労働者の間に感染が広がりました。感染者のほとんどは、こうした外国人労働者です。同じく初動が早く、強権を発動したベトナムは、大量の人員を検疫所へ収容したこともあり、封じ込めに成功しているようです。タイもまた封じ込めに成功しているようですが、この成功は国家規模での非常事態宣言を発令し、感染症の症例の監視と追跡、疫学的訓練、実験室での検査、ITを活用したサーベイランス報告などの多方面での取り組みの奏功によるといわれています。

 カンボジアとフィリピンはともに大統領がリスクを軽視しているにもかかわらず、それほど感染が広がっていないように見えます。が、実情から見て、ミャンマーとともに感染がまだ十分に拡大していないとみるべきでしょう。インドネシアも回復率の数字、初動の遅れからみて、これからさらに感染拡大が懸念されます。したがって、東南アジアでは、タイとベトナム以外はまだまだ感染拡大のリスクがあるというのが実情のようです。

東南アジアの感染状況については、以下のサイト情報を参考にしました。

https://ameblo.jp/casbicsd/entry-12591480612.html

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