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かんとこうブログ

2020.12.05

消費不安は雇用不安・・11 月の消費動向調査結果

今日は 12月 2 日に発表された内閣府の消費動向調査(11 月の分)の結果をご紹介します。この調査は毎 月実施しているもので約 8400 世帯を調査対象としています。先月分は 10 月 5 日に このブログでご紹介しました。

調査項目は、5 つの質問( a)暮らし向き、b)収入の増え方、c)雇用環境、d)耐久消 費財の買い時判断、e)資産価値)に対し、①良くなる、②やや良くなる、③変わらない、 ④やや悪くなる、⑤悪くなると言った5つの選択肢から回答するものです。それでは早速 2020 年の 5月~11 月までの推移を見てみましょう。


https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shouhi.html 図表は左記より引用

今月は全体の消費者態度指数はわずかに上昇し、33.7と一応の回復傾向を見せてはいますが、ひとつだけ下降した項目があります。それは雇用環境です。今日はこの雇用環境に焦点をあててみていきたいと思います。

この図はいつも掲載している消費者態度指数の推移ですが、この13年ほどの期間で明らかに落ち込んだ時期が5回あります。2008年~2009年のリーマンショック、2011年の東日本大震災、2014年の消費税増税(8%)、2019年の消費税増税(10%)そして2020年のコロナ禍です。この5回の時期以外は消費者態度指数は40を下回っていません。11月の指数はまだ33.7であり、常態からは外れた数値であることがお分かりいただけると思います。(似たような名前の「景気ウオッチャー指数」が50を超えているのとは大きな違いです。)

この5つの期間において、しかしながら、最も数値の低い質問項目は二つに分かれます。


すなわち、消費税増税により最も落ち込む項目は「耐久消費材の買い時判断」であり、それ以外の場合は「雇用環境」です。リーマンショックという経済不安、東日本大震災という自然災害、コロナ禍という社会全体の不安においては、人々は雇用環境について最も不安を感じているということになります。

それでは実際のところ、失業率はどのように推移しているのでしょうか?


国内統計:完全失業率|新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響(新型コロナウイルス感染症関連情報)|労働政策研究・研修機構(JILPT)より引用・改変

https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c06.html

この図は、完全失業率の推移について、今回のコロナ禍(下図)とリーマンショック時(上図)を比較したものです。リーマン時と今回の失業率には大きな差があります。リーマン時には失業率が4%から6%近くにまで上昇しましたが、今回は、2%前半から3%強に上昇したにすぎません。この失業率水準の差は、この5年間に失業率が大幅に低下したからです。(ただし、それはアベノミクスの成果ではなく、団塊の世代の引退と雇用形態の変化が主な原因だと個人的には思っていますが、それはさておき)実際のところ、今年に入り完全失業率がどんどん上昇しており、落ち着く気配がありません。これでは雇用不安が払しょくされることはないと思います。コロナ禍において、感染防止か経済回復かの議論が度々登場しますが、経済回復とは事業の継続よりも雇用の維持確保であるということを改めて感じさせるデータではないかと思います。

完全失業率の絶対値はリーマン時よりもはるかに低いにも関わらず、消費動向調査における雇用不安の指数はほぼ同程度の低い数値であることの意味を、ぜひコロナ対策の分科会でも議題にしていただきたいと思います。

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