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かんとこうブログ

2021.04.14

トリチウム水について調べてみました

政府が2年後をめどに、福島第1原発の処理水を海洋放出することを決定したということが報道されています。世界中で賛否両論の声が上がっているようですが、できるだけ客観的、科学的にこのトリチウムについて調べたことをご紹介したいと思います。 

まずはそもそもトリチウムとは何でしょうか?ちょっと聞くと元素のような名前に聞こえますが、水素の放射性同位元素で、三重水素と呼ばれており、通常の水素より中性子が二つ多い構造になっています。β線を出してヘリウム3に変わっていきます。

トリチウムの主な性質は以下のようにまとめられます。

トリチウムは、水素の放射性同位体で、水素とほぼ同じ化学的、物理的性質を有するため、水から分離することがたいへんに困難である。

トリチウムは放射性核種で、半減期は約12年。非常に低いエネルギーのβ線を出して安定元素のヘリウム3に変わる。

トリチウムは、生物濃縮せず、水として体内に摂取した場合の生物学的半減期は約10日、有機物として摂取した場合は40日。

多くは水として生体内に取り込まれるので、「体に取り込みやすく出て行きやすい」放射性物質であり、かつ水であるため、体の特定の部位に滞留することことが起きにくく、他の放射性物質とは異なる。(以下のサイトから引用/改変)

東京電力「トリチウム水海洋放出問題」は何がまずいのか? その論点を整理する | ーバー・ビジネス・オンライン (hbol.jp)
このトリチウムは、天然にも存在するものであり、人体への影響について、電力会社であり中部電力のサイトでは以下のように説明されています。

これをこのまま受け取れば、さして危険なものではないように思えますが、ネットで探すとトリチウム水で健康被害が出ているとする記事も見つかりました。20111228日に放送されたNHKの報道ドキメンタリー番組『追跡!真相ファイル』の「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」の中で紹介されたアメリカのイリノイ州シカゴ近郊の原発密集地帯で発生している深刻な健康被害です。子供たちの間で癌患者が増え、死亡する住民も多かったというのです。井戸水の使用が疑われましたが、国(アメリカ)はトリチウムの含有量は基準以下で問題ないとしています。

【死せる水トリチウム】三重水素の恐怖の正体とは?矢ヶ崎克馬教授 | 福島原発事故の真実と放射能健康被害 (sting-wl.com)
今回の放出決定に際し、国は汚染水をそのまま放出するのではなくさらに処理をして、トリチウム濃度を国の排出基準の1/40を下回る濃度にまで WHO=世界保健機関が示す飲料水の基準での7分の1程度に薄める と説明しています。

また国際原子力機関(IAEA)の事務局長も、政府の決定を歓迎するとして声明を発表していました。その中でトリチウム水の海洋放出は世界でも行われていることを述べていました。事実、世界中の原子力発電所でトリチウム水の歌謡放出が行われているようです。

産経新聞のサイトより引用

 とここまでが調べてわかったことですが、一方でネットの記事の中には、これまでの政府や東電の対応、トリチウム水に含まれる可能性のある他の放射性物質への懸念などにより、関係者の理解や合意が十分できていないという指摘も散見されます。海外からの指摘も、近隣諸国に相談せず一方的に決定したことに対するものが多いようにも見受けられます。

政府には、科学的事実に基づき客観的で丁寧な説明と、信頼を取り戻す誠実な対応を期待します。

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