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かんとこうブログ

2021.04.13

IMFレポートの続き2・・こんなことまで書いてありました

 昨日の続きです。左の図は、世界の二酸化炭素の排出量の推移で2019年を100としています。何でこんなものまで書いてあるのかと思いますが、グラフを見れば経済活動の指標になりうることがわかります。2020年は通年で前年比4%減でした。陸上輸送と電力起源、産業起源のCO2の減少が大きな割合を占めています。

右の図は業種別工業生産推移ですが、日本のそれとほぼ同じであると思います。自動車の動きはまさに同じです。日銀短観などでみられる推移とぴったり一致します。日本の業種別様相と世界の業種別様相が酷似しているということです。回復という観点では、航空機が最も遅れています。ついで繊維に回復の遅れが見られます。それ以外はコロナ前に回復したようです。

一番わけの理解できなかったのが左の図です。横軸はロックダウンに関するゴールドマンサックス指数で、数値が大きいほど厳しいロックダウンが行われたことを意味しているそうですが、それと消費活動との相関をとって相関がなかったという結論でした。ロックダウンで行動が規制されればされるほど、購買意欲がますというような論文でもあるのでしょうか?

変わって右の図は、大変重要な図であると思われます。先週ご紹介した、中期的な経済への影響で、新興国や低所得国ほど経済の損失が大きいという見方が示されています。不十分な医療体制、ワクチン接種の遅れなどでそうなることは十分に理解できます。その結果として、先進国側に有利に経済情勢が展開されるとなればなんともやりきれない思いがします。

左の図は、職種別の雇用の推移で、職種を自動化の影響を受けやすいかどうかに分類して考察しています。自動化の影響をうけやすい、自動化されやすい職種ほどコロナ禍で雇用が減少していると考察しています。

右は、世界各国の公的支出を対GDP比で表したもので、過去の経済危機における公的支出に比べて破格の公的支出がなされていることがわかります。前出の倒産件数が、むしろコロナ前よりも減少していることもこれで説明できるかもしれません。

最後にもう一つグラフをご紹介します。2002年から2022年にいたる20年間のひとりあたりGDPの推移と20年後のGDP2002年=100)の値です。いろいろなところからデータはとれますが、このレポートにもデータがありましたのでグラフにしてみました。2002年を100とし、それ以降毎年の成長率を順次掛け合わせて計算しています。

20年間ひとりあたりGDP推移ダウンロード

この20年でみると、日本だけでなく、ヨーロッパの国々も低成長にあえいでいることが良くわかります。中国やインド、ASEANは当然として、アメリカも順調に成長しています。アメリカの強さは一体どこに由来するのでしょうか?

このIMFレポート細かく見ていくと結構面白いデータが掲載されています。一度ざらっと覗いてみることをお勧めします。

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